○高槻市文化財保護条例
昭和44年10月1日
条例第47号
注 平成4年3月19日条例第3号から条文注記入る。
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市指定文化財(第4条―第14条)
第3章 埋蔵文化財(第15条)
第3章の2 市選定保存技術(第15条の2―第15条の4)
第4章 文化財保護審議会(第16条)
第5章 雑則(第17条)
第6章 罰則(第18条・第19条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び大阪府文化財保護条例(昭和44年大阪府条例第5号)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、市の区域内に存するもののうち重要なものについて、法第3条の趣旨及び高槻市環境基本条例(平成13年高槻市条例第10号)の理念にのっとり、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化的資質の向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(平13条例10・平17条例21・令元条例3・一部改正)
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(所有権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 市長は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
第2章 市指定文化財
(指定)
第4条 市長は、市の区域内に存する文化財のうち重要なものを高槻市指定文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
2 市長は、前項の規定により有形文化財、有形の民俗文化財及び記念物を指定しようとするときは、あらかじめ当該文化財の所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。
3 市長は、第1項の規定により無形文化財を指定するに当たっては、当該無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
5 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該市指定文化財の所有者等又は保持者若しくは保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知することにより行う。
7 市長は、第1項の規定による指定をした後においても、当該市指定文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
9 市長は、第1項の規定による指定をしたときは、当該市指定文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
11 市長は、第1項の規定による無形の民俗文化財の指定をした場合において、当該無形の民俗文化財の保護に当たる保護者又は保護団体(無形の民俗文化財を保護する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)(以下「保護者等」という。)があるときは、当該保護者等に対し、その保護のため必要な措置を講ずることができる。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(解除)
第5条 市長は、市指定文化財が、市指定文化財としての価値を失った場合その他特別の事由があるときは、当該市指定文化財の指定を解除することができる。
2 市長は、市指定文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特別の事由があるときは、当該保持者又は保持団体の認定を解除することができる。
4 市指定文化財について法又は大阪府文化財保護条例の規定による文化財の指定があったときは、当該市指定文化財の指定並びに保持者及び保持団体の認定は、解除されたものとする。
5 前項の場合には、市長は、速やかにその旨を告示するとともに、当該市指定文化財の所有者等又は保持者として認定されていた者若しくは保持団体として認定されていた団体に通知しなければならない。
6 市指定文化財の保持者が死亡したとき又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者の全てが死亡したとき又は保持団体の全てが解散したときは、当該市指定文化財の指定は解除されたものとする。この場合において、市長は、速やかにその旨を告示しなければならない。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(保存措置)
第6条 市長は、第4条第1項の規定により文化財を指定したときは、当該市指定文化財の所有者等の同意を得て、これに必要な保存措置を講ずることができる。
2 市長は、市指定文化財のうち無形の文化財(無形文化財及び無形の民俗文化財をいう。以下同じ。)の保存のため必要と認めるときは、当該文化財について自ら記録の作成その他保存のため適当な措置を講ずることができる。
(令元条例3・一部改正)
(管理義務及び権利義務の承継)
第7条 市指定文化財の所有者等は、この条例若しくはこれに基づく規則又はこれらに基づく指示に従い、市指定文化財を管理しなければならない。
2 市指定文化財の所有者等が変更したときは、新たに所有者等となった者は、所有者等であった者の権利及び義務を承継するものとする。
(令元条例3・一部改正)
(届出)
第8条 市指定文化財の所有者等は、当該市指定文化財について、次の各号のいずれかに該当するときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又は亡失し、若しくは盗み取られたとき。
(2) 所有者、所在の場所又は保存の方法を変更しようとするとき。
(3) 土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき。
2 市指定文化財の保持者又は保護者が、氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときその他規則で定める事由があるときは、当該保持者若しくは保護者又はその相続人は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。保持団体又は保護団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体又は保護団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(承認等)
第9条 市指定文化財の所有者等は、当該市指定文化財について次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ市長の承認を受けなければならない。
(1) 現状を変更しようとするとき。
(2) 修理をしようとするとき。
(3) 市の区域外に移そうとするとき。
2 市長は、前項の承認をするときは、必要な指示をすることができる。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(補助金の交付)
第10条 市指定文化財の所有者等が、当該市指定文化財の修理、管理及び復旧又は保存(以下「修理等」という。)を行おうとする場合において、修理等に多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えないときその他特別の理由があるときは、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し補助金を交付することができる。
2 市は、市指定文化財のうち無形の文化財の保存のため必要があると認めるときは、当該無形の文化財の保持者若しくは保持団体又は保護者等に対し、その保存に要する経費の一部を補助することができる。
(令元条例3・一部改正)
(1) この条例又はこれに基づく規則に違反したとき。
(2) 市長の指示又は補助金交付の条件に違反したとき。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(公開)
第12条 市長は、市が行う公開の用に供するため、市指定文化財の所有者に対し、6か月以内の期間を限って、当該市指定文化財の出品を勧告することができる。
2 市長は、市指定文化財のうち無形の文化財の記録を、記録の所有者に公開することを勧告することができる。
3 市長は、保持者若しくは保持団体又は保護者等に対し、市指定文化財の公開を勧告することができる。
4 市は、前3項の規定による出品又は公開のために要する費用の全部又は一部を負担することができる。
6 市長は、市以外のものが行う出品又は公開の用に供するため、市指定文化財の所有者、保持者、保持団体若しくは保護者等又は記録の所有者に対し、3か月以内の期間を限って、市指定文化財及び記録の出品又は公開を勧告することができる。
7 市長は、前項の規定による出品、公開及び当該公開に係る市指定文化財の管理に関し、必要な指示をすることができる。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(報告)
第13条 市長は、必要があると認めるときは、市指定文化財の所有者等に対し、市指定文化財の現状又は修理等の状況について、報告を求めることができる。
(令元条例3・一部改正)
(調査)
第14条 市長は、市指定文化財の指定をしようとするときその他必要があると認めるときは、所有者等の承諾を得て調査を行うことができる。
2 前項の規定により調査を行う場合には、当該調査に当たる者は、その身分を証明する証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
第3章 埋蔵文化財
(埋蔵文化財の保存)
第15条 何人も、宅地造成、土地の開墾等により土地に埋蔵されている文化財を発見したときは、直ちに市長に届け出るとともに、その文化財が貴重な財産であることを自覚し、その損傷及び散逸の防止に留意するとともに、文化財を包蔵することが明らかな土地の保存に努めなければならない。
(令元条例3・一部改正)
第3章の2 市選定保存技術
(選定等)
第15条の2 市長は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもののうち、保存の措置を講ずる必要があるものを高槻市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 市長は、前項の規定による選定をするに当たっては、市選定保存技術の保持者又は保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 一の市選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(解除)
第15条の3 市長は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特別の事由があるときは、その選定を解除することができる。
2 市長は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められる場合その他特別の事由があるときは、当該保持者又は保存団体の認定を解除することができる。
4 市選定保存技術について法又は大阪府文化財保護条例の規定による選定保存技術の選定があったときは、当該市選定保存技術の選定並びに保持者及び保存団体の認定は、解除されたものとする。
(平17条例21・令元条例3・一部改正)
(令元条例3・一部改正)
第4章 文化財保護審議会
第16条 法第190条第2項の規定により、市長の附属機関として、高槻市文化財保護審議会を置く。
2 審議会は、委員7人以内で組織する。
3 委員は、文化財に関して優れた識見を有する者のうちから市長が任命する。
4 委員の任期は2年とし、再任されることを妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が定める。
(令元条例3・全改)
第5章 雑則
(令元条例3・改称)
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
(令元条例3・旧第20条繰上・一部改正)
第6章 罰則
(罰則)
第18条 市指定文化財のうち、有形文化財又は記念物を汚損し、損壊し、廃棄し、若しくは隠匿した者又は衰亡するに至らしめた者は、50,000円以下の罰金又は科料に処する。
(平4条例3・一部改正、令元条例3・旧第21条繰上・一部改正)
(令元条例3・旧第22条繰上・一部改正)
附則
この条例は、高槻市生活環境の向上等に関する基本条例の施行の日から施行する。
附則(昭和60年3月29日条例第8号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例の施行前に、改正前の高槻市文化財保護条例の規定に基づきなされた指定その他の手続きは、改正後の高槻市文化財保護条例の相当規定に基づきなされた指定その他の手続きとみなす。
附則(平成4年3月19日条例第3号)
この条例は、平成4年4月1日から施行する。
附則(平成13年3月28日条例第10号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成13年4月1日から施行する。
附則(平成17年3月25日条例第21号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附則(令和元年7月12日条例第3号)抄
(施行期日)
第1条 この条例は、令和元年8月13日から施行する。
(高槻市文化財保護条例の一部改正に伴う経過措置)
第5条 この条例の施行の際、現に前条の規定による改正前の高槻市文化財保護条例(次項において「旧条例」という。)の規定により教育委員会が行った指定その他の行為は、同条の規定による改正後の高槻市文化財保護条例(同項及び第3項において「新条例」という。)の規定により市長が行った指定その他の行為とみなす。
2 旧条例第16条に規定する高槻市文化財保護審議会(次項において「旧審議会」という。)は、新条例第16条第1項に規定する高槻市文化財保護審議会(次項において「新審議会」という。)となり、同一性をもって存続するものとする。
3 この条例の施行の際、現に旧審議会の委員である者は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)に、新審議会の委員として市長に任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、新条例第16条第4項本文の規定にかかわらず、施行日における旧審議会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。