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こんにちは。水道部長の船本です。
蛇口から出る水の冷たさを日々感じるようになり、ずいぶん秋らしくなってきましたね。
急な気温の変化や季節の変わり目で体調を崩しやすい時期となりますが、体調管理にご注意いただき、秋の夜長を楽しんでいただけたらと思います。
さて、水道は私たちの暮らしに欠かせない重要なインフラの一つですが、今回は近年全国でも話題になっている「水道管の耐震化」について、高槻市の現状をご紹介します。
高槻市は、1960年から70年代の高度成長期に大阪や京都のベッドタウンとして発展。住宅も急増し、これに合わせて整備された多くの水道管が、老朽化し更新時期を迎えています。市内にある40年以上経った水道管の延長は約210キロメートルもあり、これは市内の水道管総延長約1,075キロメートルのおよそ20パーセントを占めています。
これらの老朽化した水道管の多くは材質が鉄で作られており、経年による腐食が進み壊れやすくなっているため、ひとたび地震が発生すると、もろくなった部分が地震の揺れに耐えることができず、一斉に水漏れが発生し、復旧には多くの時間が必要となります。
今年1月1日に発生した能登半島地震では、地震により水道管が大きな被害を受け、最大約14万戸が断水しました。一部の地域では土砂崩れや倒壊した家屋の影響により、新たな水道管を入れることが出来ず、地震から半年を過ぎても断水が続いてしまいました。
このような被害を未然に防ぐためには、老朽化した水道管を「地震に強い水道管(耐震適合管)」に更新していくことが必要です。
現在、高槻市内の水道管のうち、地震に強い耐震適合管の割合は約36パーセントであり、これは全国水準と同程度となっています。近年では南海トラフ地震の発生の切迫性が高まっており、すみやかに水道管の耐震化を実施していかなければなりません。
一方、水道管の更新には多額の費用が必要で、昨今の人口減少に加え、節水機器の普及などにより水の使用量が減っており、今後水道料金収入も大きく減少していく見込みとなっているため、すぐに全ての水道管を更新することは難しいのが現状です。
そこで、水道部では被害を受けると広範囲に影響を及ぼすことになる大きな管路である基幹管路の耐震化を優先して行っています。基幹管路とは導水管(水源から原水を浄水場へ送る管)や配水本管(給水管を分岐しない管)のような代替えのきかない重要度の高い水道管のことで、令和12年度までに基幹管路の耐震適合率を現在の56パーセントから70パーセントとすることを目標に事業を進めています。
水道工事(管布設状況)
令和6年12月上旬から令和8年2月下旬にかけて、郡家本町の清福寺交差点付近(下図の場所)で基幹管路の耐震化工事を予定しています。
この基幹管路は高槻市の市街地や南西部を中心に約8万人のみなさまへ水を運んでいる非常に重要な管路ですが、布設後およそ50年が経ち老朽化も進んでいることから、早急な更新・耐震化が必要となっています。
工事場所の中心にある清福寺交差点はバス通りで交通量も多く、水道工事に伴う交通規制による渋滞が予想されます。工事中は渋滞対策として、一部の車両について通行止めや迂回をお願いする予定です。付近を通行される際は、保安要員や案内看板などに従い、迂回のご協力をお願いします。
交通規制や迂回路は、工事の進み具合により変わっていきますので、ホームページで最新情報をご確認ください。
水道部では、今後も耐震適合率の向上を目指し、計画的に耐震化工事を進めてまいります。地震に強い水道管へ更新していくことは、皆さんの生命と生活を守ることに繋がっていきますので、今後も水道工事について、ご理解とご協力をよろしくお願い致します。
船本 松雄
2023年(令和5年)から現職。趣味は、読書とドライブ。