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こんにちは。水道事業管理者の上田昌彦です。
花の盛りもいつしか過ぎて、春から初夏へと風の香りも変わろうとしていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。ゴールデンウイークを迎え、お出かけの機会も増えると思いますが、引き続き新型コロナウイルス感染症予防となるマスクの着用やこまめな手洗い、うがいなどの対策を引き続きお願いします。
さて、3月28日から本市公式YouTubeチャンネルで公開している動画「自ら水から備えよう―たかつき『みずから』防災」はもうご覧いただけましたか?
この動画では、日頃からの水備蓄に関するノウハウを始め、応急給水時のルールなど災害時の適切な行動といった「水」に関する防災について、約10分でまとめています。
今回は、本動画に込めた思いや、制作秘話についてご紹介したいと思います。まだご覧になられていない方は、ぜひ一度、動画をご覧ください。
コロナ禍により、うがい・手洗いの回数が増えるなど、日常の暮らしの中で水道の蛇口から出る水に触れる機会がより増えたかと思いますが、蛇口からあたりまえに出てくる『水』・・・その水が急に出なくなった時のことを想像したことはありますか?最近、全国で地震が多発しており、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、平成30年6月の大阪府北部地震では、大阪広域水道企業団の水道管が破損し、高槻市の一部の地域で断水が起こり、市民の皆さまには大変なご迷惑をおかけしました。このような大規模な断水が本市で起きたのは初めてのことでした。
私たち水道部では、災害が起きても水道水の安定供給ができるよう、日頃から、水道管の耐震化をはじめとした様々な対策を進めていますが、被害を完全に防ぐことはできません。災害により断水した際には、給水活動を開始するまでに一定の時間が必要となります。私たちも全力を尽くしますが、私たちの力だけでは限界があり、すぐに全ての方へ十分な支援を行うことは、なかなか難しいのが現実です。
市民の皆さま一人一人のご協力と備えが必要不可欠ですので、このことを皆さまにしっかりとお伝えし、行動していただくことが重要だと考え、動画という形で配信することにしました。
「災害に備えて水を備蓄しておきましょう」一度は耳にされたことはあるかと思いますが、皆さま準備は万全でしょうか。
大事だとはわかっているけれど・・・なかなか行動には移せていない、という方もおられるのではないでしょうか。今回の動画制作にあたっては、災害を「自分事」として考え、市民の皆さまにとにかく行動してもらえるように、いくつかの工夫を凝らしました。
命に関わる防災啓発は、若い世代から高齢者までの幅広い年齢層の方、また外国籍の方にも広く伝えていく必要があることから、ピクトグラムによる説明を多用し、英語版も作成するなど、あらゆる方に向けた「視覚的なわかりやすさ」を追求しました。
災害時の給水場所や守っていただきたいルールなど、水道部として知っておいていただきたい知識も、記憶に残りやすいようにできるだけ簡潔にまとめています。
もう一つ工夫したのが、動画を象徴するロゴマークとして形となった「自ら水から備えよう」のキャッチコピーです。当初はこのようなキャッチコピーを作成することは予定しておらず、「今から備えましょう」というフレーズを使った程度でした。
しかし、「防災」という普遍的なテーマの中でも、高槻市としてのオリジナリティを何かの形で出せないか、という意見が制作の途中段階で上がりました。何となく日常的に目にしていた様々な広告を改めて見てみると、やはり良いものは印象に残るタイトルやキャッチコピーが付いていました。
自分たちの動画にも、何か印象に残るキャッチコピーを作れないか・・・「水から備えてほしい」・・・「ミズカラ」・・・「自分事として」・・・「自ら」・・・「ミズカラ?」・・・「自ら水から」!!!
「自ら水から備えよう」は、このようなダジャレ的な発想で生まれたのです。一度言葉にしてみたら頭から離れず、これを「たかつき『みずから』防災」と銘打って採用することにしました。
撮影は令和4年1月末頃に行いましたが、当時は、新型コロナウイルスのオミクロン株が感染拡大した「第6波」の真只中でした。感染症対策を十分に行いながらの撮影が大変であったことはもちろんですが、出演予定の職員が急遽参加できなくなるという事態も発生し、限られたスケジュールの中、一人で職員役、市民役など何役もこなした職員もいます。シーンによって服装やヘアスタイルを変えるなど工夫していますが・・・皆さまはお気づきになりましたか?(お気づきでなければ、苦肉の策も成功!といったところでしょうか。)
全員がマスクを着用している動画作品というのも、時世が表れていて、これはこれでよい記録になったかと思っています。
飲み水からトイレやお風呂などの生活用水まで、私たちの生活は『水』なしには立ち行きません。災害は地震だけではなく、これからのシーズン、豪雨や台風による停電等で断水する恐れもあります。
災害はいつ起こるかわかりません。明日、あるいは今日にも、私たちの身に降りかかる可能性があります。決して「他人事」ではなく、「自分事」として、「自ら」、まずは「水から」、備えてもらいたいです。
「たかつき『みずから』防災」を合言葉に、さぁ共に始めましょう!
上田 昌彦
1958年(昭和33年)、大阪府生まれ 。2019年(令和元年)6月から現職。農業の勉強をはじめます!