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こんにちは。子ども未来部長の万井です。
秋のすがすがしい空気が気持ちよい季節になってまいりました。
今回は、11月の「児童虐待防止推進月間」にあわせて、本市の取組や子育て中の保護者・地域の方にお願いしたいことについてお話しさせていただきます。
同月間では、児童虐待問題に対する社会関心や理解を深めるため、全国的に家庭や学校、地域に向けて広報・啓発活動などの取組が行われています。本市でも「オレンジリボンキャンペーン」として、児童虐待防止を呼び掛ける活動を行っています。これらの取組が、市民の皆さまに児童虐待防止について考えていただく機会となれば幸いです。
先日、厚生労働省が発表した、令和3年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数の速報値は20万7659件で、集計を始めた1990年度以降、最多を更新し続けています。子どもの目の前で夫婦喧嘩などを行う面前DVや子どもに暴言や罵声を浴びせる心理的虐待が多い傾向は変わりありません。
このような状況の下、国の関係閣僚会議において、「児童虐待防止対策の更なる推進について」決定がなされ、子どもの権利擁護や市町村の体制強化等、重点的に実施する内容が示されました。本市においても、さらに注力して取り組みを進めていく必要があります。
厚生労働省ホームページ 児童虐待防止対策<外部リンク>
本市では、これまでも「こんにちは赤ちゃん事業」や「子育て相談訪問事業」においてご自宅へ訪問し、保護者の相談に応じてきました。また、令和3年度からは「子育てみまもり・つながり訪問事業」を開始し、主に未就園児のご家庭を訪問しています。その中から見えてきた課題として、保護者の「孤立」があげられます。引っ越してきたばかり、実家が遠い、パートナーは仕事で帰宅が遅い等の理由で孤軍奮闘されている保護者が想像以上に多いことがわかりました。ちょっとした相談ができず、コロナ禍もあって思うように出かけることができず困っておられます。
市内には、子育て支援センターのほか、つどいの広場や園庭開放等、子連れで気軽に遊びにいけるところがあります。子育てで困ったことがあれば、子どもを遊ばせながら保育士等の専門職や子育て支援の経験豊富なスタッフに相談できます。また、カンガルーの森では電話や面談のほか、オンライン相談も行っており、コロナの心配がある方や子連れでの外出が大変な方にご利用いただいています。悩みごとを一人で抱え込まず、育児の負担を少しでも軽くできるよう、ぜひご利用ください。
オレンジ色のリボンが児童虐待防止のしるしであることはご存じの方も多いと思います。11月の児童虐待防止月間にあわせて、本市でもさまざまな取り組みを行います。こういった活動を通して、市民のみなさんに少しでも児童虐待を抑止するためのご協力を得られたらと思っています。児童虐待を未然に防ぎ、子どもたちが安心して暮らしていけるまちを目指していきたいと考えています。
11月1日(火曜日)から11月30日(水曜日)まで
市役所総合センター、JR高槻駅南人工デッキ、子育て総合支援センターなど
パネルやポスターの展示、横断幕の設置など
※11月2日(水曜日)にはJR高槻駅南側付近で街頭啓発を行います
保護者自身も子育ての大変さを理解してもらえず、苦しんでいたり、孤独を感じていたりして、そのストレスを子どもに向けていることも多いのです。市民みんなで子どもを育てるという意識をもち、さりげない見守りや温かい援助をお願いします。虐待しているとみられて地域から敬遠されると社会からも孤立してしまいます。そういう家庭にこそ、地域のみなさんの温かい手を差し伸べてください。
それでも心配なことがあれば、下記へ連絡してください。相談は匿名でも可能です。あなたがしてくださる行動は、決して処罰を求めるものではありません。保護者や子ども、家庭に支援を届ける第一報となるのです。
大阪府吹田子ども家庭センター<外部リンク>
児童相談所虐待対応ダイヤル189(いち・はや・く)<外部リンク>
母性や父性は育児をする中で育まれていくことは脳科学からも裏付けられているそうです。最初から育児がうまくいかなくても、まわりに助けてくれる人は必ずいます。子育て中の保護者が安心してSOSを出せるよう、また、それを地域みんなで支え合えるような温かい社会にしたいと思っています。そのために市民のみなさんのご協力をお願いします。
万井 勝徳
1963年(昭和38年)大阪府生まれ。2017年(平成29年)4月から現職。趣味は音楽鑑賞。