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離乳食を始めて数か月が経つと、赤ちゃんが手を伸ばしてスプーンをにぎろうとしたり、お皿をつかもうとしたりするようになります。それは、自分で食べたい!というサイン。そういう意欲が出てきたら、手づかみ食べをさせてみましょう。
手づかみ食べは、食べる意欲の表れとともに、食べたいものを目で捉え、手でつかみ、口に持って行くという、目と手と口の「協調運動」ができるようになった発達の現れです。これにより脳の広い範囲を刺激し、さらなる発達を促します。
初めは手でつかんでも床にポイポイ投げたり、ぐちゃぐちゃにしてしまったりする赤ちゃんもたくさんいます。口に入れずに、おもちゃにして遊んでいるだけのように見えるかも知れませんが、これは一人で食べるための練習段階。そうやって食べ物の形や感触を学んでいるのです。
スタートの食材は、スティック状の野菜がおすすめです。にんじんや大根などのにぎっても手にベタ付かない野菜を持ちやすい形に切って、やわらかくゆでたり蒸したりしたものがよいでしょう。スティック野菜は、前歯でかじり取る練習にもなります。私たち子育て総合支援センターの離乳食クッキング講座「カンガルーぱくぱく教室」では、9か月から11か月のクラスのメニューにスティック野菜を入れています。よく使う野菜はにんじんとさやいんげん(三度豆)で、さやいんげんは意外と好きなお子さんが多く、調理も片付けもしやすいので、おすすめです。
初めは一口の量がわからないので、丸ごと口に入れたり、次々詰め込んだりするかも知れません。そばでしっかり見守り、のどに詰めないように気を付けましょう。その子の成長や性格に合わせて、大きさや固さを調節する、ごっくんしてから次を出すなどの工夫をしましょう。
同じ食材でも、その子に合わせた形で練習
(写真はトースト)
慣れてきたら、色々な形や感触のものにトライしましょう。おやきのように硬めのものやかぼちゃやさつまいものおだんごのように、そっとつままないとぐちゃっとなってしまうものなど、色々試すといいですね。
赤ちゃんも一人ひとり性格が違いますから、手が汚れるのがいやだったり、食べさせてもらうのが好きだったり、手づかみ食べが好きではない子もいます。自分で食べないからと言って、無理に練習させるのは逆効果。まだ、この子には早いんだなと思って、食べさせてあげれば大丈夫です。
ちょっと余裕のあるおやつの時間に、赤ちゃんの好きなものを周りの大人も一緒に手で食べるのもいいですね。すぐには真似しなくても、赤ちゃんは周りの大人の様子を観察して学んでいます。
手づかみが好きではない赤ちゃんも、もう少し手先の機能が発達してスプーンやフォークを上手に使えるようになれば、自分で食べるようになりますよ。
いいことがいっぱいの手づかみ食べですが、洋服、テーブル、床の上・・・がぐちゃぐちゃになると辛いですよね。片付けやすいように、床に新聞紙やレジャーシートを敷く、汚れてもいい洋服に着替えるなど、保護者の負担が大きくならないようにしましょう。
記事作成:子育て総合支援センター(072-686-3030)