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人は揺れを感じない。
屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
屋内にいる人の多くが揺れを感じる。
眠っている人の一部が目を覚ます。
電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。
屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。
恐怖感を覚える人もいる。
棚にある食器類が、音をたてることがある。
電線が少し揺れる。
かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが目を覚ます。
つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音をたてる。座りの悪い置物が、倒れることがある。
電線が大きく揺れる。歩いている人も揺れを感じる。自動車を運転していて揺れに気づく人がいる。
多くの人が身の安全を図ろうとする。
一部の人は、行動に支障を感じる。
つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。
窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れているのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。
非常な恐怖を感じる。
多くの人が、行動に支障を生じる。
棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。テレビが台から落ちることがある。タンスなど重い家具が倒れることがある。変形によりドアが開かなくなることがある。一部の戸が外れる。
補強されていないブロック塀の多くが崩れる。据付が不十分な自動販売機が倒れることがある。多くの墓石が倒れる。自動車の運転が困難となり、停止する車が多い。
立っていることが困難となる。
固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。開かなくなるドアが多い。
かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。耐震性の低い木造建物では倒壊するものもある。地割れや山崩れなどが発生することがある。
立っていることができず、はわないと動くことができない。
固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。戸が外れて飛ぶことがある。
多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物では倒壊するものがある。地割れや山崩れなどが発生することがある。
揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。
ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。
ほとんどの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。耐震性の高い建物でも、傾いたり、大きく破壊するものがある。大きな地割れ、地すべりや山崩れが発生し、地形が変わることもある。
ひび割れや傾きがあれば修理し、土中にしっかりとした基礎がないものや鉄筋が入ってないものは補強しましょう。
アンテナはしっかりと固定し、屋根瓦にはがれ、ずれ、ひび割れがあれば補強しましょう。
本棚やタンス、冷蔵庫は倒れてこないよう、L型金具や支え棒、転倒防止マットなどを使用し、柱や天井に固定しておきましょう。特にベッドの周りや寝室は注意しましょう。
ベランダからの避難も考えられるため、常に整理整頓を。
土台、柱などたいせつな部分がシロアリに喰われたり腐ったりしていないか点検しましょう。
ストーブなど暖房器具は対震自動消火装置付きのものを使用し、周りに燃えやすいものは置かないようにしましょう。
棚の上に人形ケースや花瓶など落ちると危ないものは置かないようにしましょう。テレビやステレオも低い場所に置きましょう。
窓や戸棚のガラスには飛散防止フィルムを貼りましょう。
防炎加工のカーテンを使いましょう。
わが家の地震対策を進めるためには、まず、自分の住まいについて、どのようなところに地震に対する強さ、弱さのポイントがあるかを知ることが大切です。この耐震チェックを使用して、ご自宅の耐震性能の理解や耐震知識の習得を進めていただき、耐震性の向上を図るための耐震改修に向けて、より専門的な診断を行う際の参考にしていただくことがこの耐震チェックの目的です。
この耐震チェックの対象としている住宅は、1階又は2階建ての在来軸組構法(柱・梁を主体として骨組みを構成する従来からの工法)、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)などで店舗・事務所等を併用する住宅を含む木造住宅です。なお、基本的には一戸建て住宅を対象としていますが、これを応用して木造連棟式住宅(長屋)や木造共同住宅の耐震チェックを行う場合は、必ず一棟単位で行ってください。
この耐震チェックでは地盤については考慮していませんので、住まいが立地している地盤の影響については、専門家におたずねください。
とくに次のような所に立地している場合はご注意ください。
三角州や河川沿いでは、柔らかい土が厚く堆積していて、地震のとき、木造住宅は大きく揺さぶられる傾向があります。このような軟弱地盤に建つ建物は、硬い地盤に建つものよりも強く造らなければなりません。
沼、水田、湿地、谷、海岸などを埋め立てた地盤は、地震の時、揺れやすいだけでなく建物が足元から壊れる恐れがあります。特に基礎を丈夫にする必要があります。
沖積低地の砂層地盤や、低湿地などを埋め立てた砂層地盤では、地震時に、地盤の液状化現象が起こる恐れがあります。一般の住宅の規模の工事では、液状化を防止することはきわめて不経済なので地盤が液状化しても大丈夫なように、鉄筋コンクリート造の布基礎にしましょう。
注釈:沖積低地とは約1万年前から現在までに堆積した、軟弱で地下水位面が地表面に近い地盤です。
注釈:液状化現象とは、地震による急激な振動によって土の中の砂粒子が地下水に浮かんだ状態となり、地盤が流動しやすい状態となることをいいます。液状化現象が起こると、水や砂が表面に吹き出したり地面に亀裂が入ったりすることがあり、また、建物が傾斜したり沈下したりする恐れがあります。
山地や丘陵地などを一部盛土した敷地にある建物の基礎は、不同沈下で壊れる恐れがあります。擁壁と基礎の両方をしっかりとしたものにすることが必要です。
注釈:不同沈下とは、建物の基礎が、建物の各位置で凹凸に沈下することをいいます。
昭和56年(1981年)6月に建築基準法が改正されて耐震基準が強化されています。
ご自宅が災害に遭遇している場合、外見ではわからないダメージを蓄積している可能性があります。
増築時に、既存部の補修や増築部との接合などをきちんと行っているかどうかがポイントです。
屋根の棟・軒先が波打っている、柱や床が傾いている、建具の建てつけが悪くなったら老朽化と判断してください。
1階の平面形状に着目してください。ご自宅の1階平面形が大まかに見て、長方形もしくは長方形と見なせるか、L字型など複雑な平面になっているかを選び取ってください。実際の建物は凹凸が多く判断に迷うところですが、約91センチメートル(3尺)以下の凹凸や、出窓・突出したバルコニー・柱付物干しバルコニーは無視してください。
外見は整っている建物でも大きな吹抜けがあると、地震時に建物をゆがめる恐れがあります。ここでいう大きな吹抜けとは一辺が4メートル(2間)を超える吹抜けをいいます。これより小さい吹抜けはないものとして扱います。
2階の壁面と1階の壁面が一致していれば、2階の地震力はスムーズに1階壁に流れます。2階壁面の直下に1階壁面がなければ、床を介して2階の地震力が1階壁に流れることになり、床面に大きな負担がかかり、大地震時に床から壊れる恐れがあります。枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は床の耐力が大きいため、2階壁面の直下に1階壁面がなくても、2階の壁面と1階の壁面が一致している場合と同等とみなします。
壁の配置が片寄っていると、同じ木造住宅の中でも壁の多い部分は揺れが小さく、壁の少ない部分は揺れが大きくなります。そして、揺れの大きい部分から先に壊れていきます。ここでいう壁とは約91センチメートル(3尺)以上の幅を持つ壁です。狭い幅の壁は、ここでは壁とみなしません。
瓦は優れた屋根葺材のひとつです。しかし、やや重いため採用する建物では、それに応じた耐力が必要です。耐力の大きさは概ね壁の多さに比例しますので、ご自宅は壁が多いかどうか判断してください。
鉄筋コンクリートによる布基礎・べた基礎・杭基礎のような堅固な基礎は、その他の基礎と比べて同じ地盤に建っていても、また、同じ地震に遭遇しても丈夫です。改めて、ご自宅の基礎の種別を見直してください。
参考資料:大阪建築物震災対策推進協議会発行 「わが家の耐震チェック」
グラッときた時、あわてずに…
外に出る前に出火防止…電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉める
すぐに「火事だ!」と大声で叫んだり、やかんやなべを叩いて隣近所に異変を知らせましょう。
出火から3分以内が初期消火できる限度です。火が小さいうちに消火器や水で消火に努めましょう。
天井に火が届いたら初期消火は困難です。燃えている部屋の窓やドアを閉めて、急いで避難しましょう。