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16.芥川城跡の発掘調査

ページID:070410 更新日:2022年7月4日更新 印刷ページ表示

戦国時代に京都など畿内周辺を治めた天下人・三好長慶の居城である芥川城(芥川山城)。本市では平成5年度以降、発掘調査や測量調査、文献調査を進めてきました。  

山頂周辺の曲輪(くるわ)からは、当時としては大きな礎石建物や、山城では珍しい塼列(せんれつ)建物が見つかり、御殿や倉庫などに用いられたと考えられます。  

こうした建物跡とともに大量のかわらけ(土師器皿)や、備前焼のすり鉢・かめ、瀬戸美濃焼の皿・碗が出土しています。また、硯や灯明皿・瓦灯(がとう)など文筆に関わる遺物や、天目茶碗や茶臼・風炉など茶の湯に用いる遺物も出土しました。これらは城を守る兵が生活するに留まらず城内で文書の作成や茶の湯、供宴などさまざまな活動が行われたことを示唆します。さらに広大な城内には多くの石垣が分布していることも明らかになりました。平野側の南斜面や大手道などには視覚を意識してか、より大型の石材を使った石垣が築かれていました。  

こうした現地で見つかった遺構・遺物の状況は、細川氏や三好氏などの城主とその家臣が山城に居住して政務を執り、連歌会や儒学の講義が開かれるといった文献に書かれた様子とよく一致するものでした。

芥川城跡は、現地に残る遺構・遺物と文献の両面によって築城から廃城までが確認できる全国的にも稀有な城跡であるといえます。

(埋蔵文化財調査センター)

礎石建物

主郭の礎石建物

石垣

大手石垣​