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22.円筒埴輪を見る

ページID:095302 更新日:2022年12月23日更新 印刷ページ表示

埴輪は、1700から1400年前の豪 族の墓である古墳に立て並べられ た素焼きの焼き物です。これは墓 へ供えられた壺とその壺を乗せるための台(器台)がモデルになっています。

埴輪には、筒形で古墳を囲むように大量に並べられた円筒埴輪と、人や動物、家など実際にあるものをモデルにした形象埴輪があります。円筒埴輪は、埋葬施設や 古墳の周りを囲むことによって、死者の世界と生きている人の世界を分け、古墳という死んだ人のための空間を守る役割があったと考えられています。形象埴輪は、円筒埴輪と同じく死者の空間を守る​ほか、儀式の様子を再現する役割がありました。

種類や形が豊富な形象埴輪と比べると、円筒埴輪は同じ形ばかりですが、観察してみると意外と違いがあることに気付きます。

円筒埴輪の大きさを見ると、高さが40センチメートル程度のものから、1メートルを超えるものまでいろいろあります。また、筒部分は突帯と呼ばれる帯で区画されており、一番下の底部から最上段の口縁部までの段数は大きさによって変わります。 大きいものでは、今城塚古墳から高さ約1.3メートル、11段の円筒埴輪が見つかりました。このように大きく段数の多い円筒埴輪は、まさに​大王墓にふさわしいものです。

円筒埴輪は大量に作ることが求められたため、段の間隔がそろっていない、突帯が曲がっているなど、製作者の性分がうかがえるものがあります。一度、当時の埴輪を作る人々の姿を思い浮かべながら、埴輪を見てみてはいかがでしょうか。 (今城塚古代歴史館)​​​​

円筒埴輪と朝顔形埴輪列