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令和6年第10回高槻市教育委員会定例会会議録

ページID:136794 更新日:2024年10月17日更新 印刷ページ表示

令和6年9月20日(金曜日)午前10時00分、令和6年第10回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。

 

出席者

西田 誠 教育長
浦野 真彦 委員
美濃  律 委員
岡本 華世 委員
松村 洋子 委員

出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 青野  淳
教育次長代理 前迫 宏司
教育次長代理 杉野 暁子
教育政策推進官兼教育政策課長 藤田 卓也
教育総務課長 橋長 忠司
教育指導課長 小寺 基之
教育センター所長 山本由紀子
教職員課長 武藤  亮
教育指導課主幹 西田 大世
教職員課主幹 尾崎  元
教育政策課課長代理 小澤 祐樹
教育指導課課長代理 直原 考志
教育センター所長代理 川端 清史
教育指導課副主幹 誠光 俊明
教育センター副主幹 北畑 謙一
教育政策課主査 菊川 雅也
教育政策課指導主事 村山  健
教育指導課指導主事 久野沙弥香
教育センター指導主事 中島 道成
教育センター指導主事 岸本 京子
教育政策課 芦田 諒太

議事日程

日程第 1 報告第6号  令和6年度「全国学力・学習状況調査」の概要及び結果について
​日程第 2 報告第7号  令和6年度大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果について

 

 

(午前10時00分開会)

 

 

西田誠教育長
 ただいまから、令和6年第10回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
 なお、本日の会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
 本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、美濃委員 岡本委員にお願いいたします。
西田誠教育長
 ここで、令和6年第8回定例会会議録及び第9回臨時会会議録の承認をお願いいたします。
 会議録につきましては、事前に委員の皆様方にご確認いただいております。原案のとおり承認してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

西田誠教育長
 ご異議が無いようですので、会議録の承認につきましては、原案どおり承認されました。
西田誠教育長
 それでは、議事に入ります。
 日程第1、報告第6号、「令和6年度「全国学力・学習状況調査」の概要及び結果について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(青野淳)                                 (提案理由説明)
 ただいま上程されました、日程第1、報告第6号、令和6年度「全国学力・学習状況調査」の概要及び結果報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 今年度の「全国学力・学習状況調査」につきましては、小学校の第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に、小学校は国語・算数、中学校は国語・数学を4月18日に実施しました。
 本調査は、調査結果の公表の方法や内容等は、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。
 この点につきましては、平成20年9月の臨時教育委員会議及び、令和6年1月の教育委員会議においてご議論いただき、「学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが『一人歩き』しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う」という決定がなされております。
 これらの決定を踏まえ、本調査の概要及び結果を、今後ホームページに掲載するとともに、年末に配布されます広報誌新年号の教育特集でも調査結果の概要等を公表する予定です。
 なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(山本由紀子)
 「全国学力・学習状況調査」について、説明させていただきます。
 「学力調査の概要および結果」をご覧ください。
 今回の本市の調査結果についてですが、配付しております資料、左中段の表「1校種・教科別正答率(全国比・大阪府比)をご覧ください。
 今年度の高槻市の各教科における正答率は、小学校国語69%、算数66%、中学校国語61%、数学57%となっており、すべての教科において、全国を上回る結果となっております。
 続きまして、左下「2経年比較(全国比H26-R6)」のグラフをご覧ください。
 赤色のラインは全国平均を1として示しており、国語は○印、算数・数学は△印で表しております。
 本学力調査が開始されて以降、おおむね全国平均を上回って推移しており、令和6年度調査におきましても、すべての教科において、良好な結果となっております。
 この結果は、この間、連携型小中一貫教育において、各中学校区で取り組んでいる授業改善や、本市が進めてきた様々な教育施策の成果であると考えております。
 次に、右側「3正答数分布・領域等別正答率」をご覧ください。
 まず、小学校に関しまして、右端に示しておりますレーダーチャートについて、学習指導要領の内容別の各項目は、直線の全国平均に対し、点線の高槻市はいずれも外側に位置しており、小学校国語・算数ともに、すべて全国平均を上回りました。中学校におきましても、国語・数学において全国平均を上回っておりました。
 続いて各教科で、良好だった設問、課題の見られた設問についてご説明いたします。良好な点につきましては「白四角(□)」、課題につきましては「黒四角(■)」で表記しています。
 小学校国語では、「情報と情報との関係付けの仕方、図などによる語句と語句との関係の表し方を理解し使うことができるかどうかをみる」設問において、正答率が最も高くなっておりました。
 一方で、「学年別漢字配当表に示されている漢字を文の中で正しく使うことができるかどうかをみる」設問について、課題が見られました。
 小学校算数では、「数量の関係を、□を用いた式に表すことができるかどうかをみる」設問で正答率が最も高くなっており、「道のりが等しい場合の速さについて、時間をもとに判断し、その理由を言葉や数を用いて記述できるかどうかをみる」という設問について課題が見られました。
 中学校国語では、「目的や意図に応じて、集めた材料を整理し、伝えたいことを明確にすることができるかどうかをみる」設問において、正答率が最も高くなっており、「必要に応じて質問しながら話の内容を捉えることができるかどうかをみる」設問において、課題が見られました。
 中学校数学に関しましては、「問題場面における考察の対象を明確に捉え、正の数と負の数の加法の計算をすることができるかどうかをみる」設問において、正答率が最も高くなっており、「複数の集団のデータの分布の傾向を比較して読み取り、判断の理由を数学的な表現を用いて説明することができるかどうかをみる」設問において、課題が見られました。
 また、全体の中で、全国および大阪府を下回った設問がありました。
 そのうちの1つを取り上げさせていただきますと、小学校算数の問題で「ゆうまさんが持っている折り紙72枚は、こはるさんが持っている折り紙より28枚少ないです。こはるさんが持っている折り紙の枚数を求める式を選択する」という内容でした。正答は「72+28」となりますが、誤答である「72-28」と解答した児童が4割弱おり、問題文の少ないという言葉から形式的に減法を用いたと考えられます。授業の中で、具体的な場面に対応させながら事柄や関係を式に表すことができるよう、言葉や図、表、グラフなどを関連付けて用いて自分の考えを説明したりわかりやすく伝えあったりすることが必要であると考えております。
 資料の裏面「学習状況調査の概要および結果」をご覧ください。
 学習状況調査とは、学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面等に関する状況を把握する質問となっております。
 調査結果につきましては、第2期教育振興基本計画にあります、つけたい4つの力の「た」「か」「つ」「き」と関連させて、上段より「たかめる力」、「かんがえる力」の順で、経年比較で示しております。
 また、各項の左側(黄色)のグラフが小学校、右側(緑色)が中学校を表しております。
 まず、たかつきの「か:かんがえる力」にあります、1「5年生までに、あるいは中学1、2年生の時に受けた授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいましたか」という質問では、全体的に上昇傾向が見られます。
 「かんがえる力」の4「5年生までに、あるいは中学1、2年生の時に受けた授業では、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文書、話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか」も同様に、この10年間の推移としまして上昇傾向が見られます。
 特に中学校では、令和4年度あたりから、国との回答に差が開いてきております。
 これらにつきましては、日々授業改善に取り組んでいる成果が表れていると考えています。
 また、昨年度課題として挙げました「かんがえる力」の2「学校の授業時間以外に、普段、1日あたりどのくらいの時間、勉強をしますか」という質問では、小学校、中学校共に下降傾向となっており、引き続き課題と感じているところでございます。
 最後に、一人一台端末についてですが、令和3年度より導入され、本市も4年目を迎えたところでございます。
 「きりひらく力」の2「PC・タブレットなどのICT機器を、どの程度使用しましたか」の質問について、週に1回以上活用していると答えた児童生徒の割合は大きく上昇しております。
 一人一台端末の活用については、今後も授業での活用、家庭学習での活用等、効果的な活用について研究を進めてまいります。
 教育委員会事務局におきましては、全国学力・学習状況調査の結果の公表を受けて、様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と、改善方策に係る、教員研修を実施予定です。
 教員研修は全国学力・学習状況調査の出題の趣旨を踏まえ、国立教育政策研究所から発行されております報告書の授業アイデア例を参考に、授業で必要な要素を分析し、各校が今後の授業改善に生かしていく内容となっております。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

西田誠教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

美濃律委員
 先ほどの説明の中で、「国立教育政策研究所の報告書にある授業アイデア例を参考に」とありましたが、具体的にどのようなものがありますか。

教育センター所長(山本由紀子)
 授業アイデア例につきましては、「主体的・対話的で深い学び」を通して子どもたちに付けたい力をつけるための授業改善例として紹介されています。
 例えば、小学校2年生の算数の事例では、「問題場面を読み、式を考える」授業において、先生からの問いかけとして、「どんな式になるでしょうか」「どうしてその式にしたのですか」、「足し算か引き算か、どうしたらはっきりしそうですか」と発問し、子どもが発言したり、思考したりする場面が設定され、授業のポイントとして、問題場面を図に表して、図から式を考えようという解決方法の見通しを持たせることなどが示されています。
 いずれの事例におきましても対話によって自分の考えを広げたり深めたりする場面や学びの深まりをつくりだすために、児童が考える場面と教師が教える場面をどのように組み立てるかといった観点で授業改善をすすめることが重要であることが示された内容となっております。

松村洋子委員
 学力調査の結果で、小学校も中学校も全国平均より上回っていることで、先生方の普段の教育の成果が表れていると思います。ありがとうございます。
 中学校の数学は全国平均を全ての項目で上回っていて、特に図形の項目で、全国平均より良い結果が出ていると思います。他の項目の関数やデータの活用は全国の正答率が高くて、あまり差が出なかったのかなと思いました。中学校数学の全国の正答率を教えてください。また、中学数学の図形の正答率が高い要因が考えられますか。

教育センター所長(山本由紀子)
 中学校数学の領域別の正答率ですが、関数は高槻市63.3%全国60.7%、データの活用は高槻市57.5%全国55.5%でした。4つの領域の中でもこの2領域は全国ともに高く、全国比で表した場合大きな差が出ていない結果となっています。次に図形の正答率は高槻市47.2%全国40.3%でした。4つの領域の中では全国ともに最も低い正答率でしたが、高槻市では最も全国を上回る結果となっています。
 今回の調査では、図形の領域から3問の出題がありました。正答率は、3問とも全国を上回っておりますが、とりわけ与えられた二つの三角形が合同であることを証明する問題では正答率が全国より11.2ポイント高い結果でございました。
 生徒質問紙の「数学の問題の解き方が分からないときは、あきらめずにいろいろな方法を考えますか」や「数学の問題が解けたとき、別の解き方を考えようとしていますか」という質問において肯定的回答が全国を上回っております。また、「授業では、各教科などで学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行っていましたか」という質問において「当てはまる」との回答が全国を上回っていることからも、各学校において授業の中で論理的に考察し表現する力を育成するための学習指導の改善に継続的に取り組んできた成果ではないかと考えております。

浦野真彦委員
 質問紙調査の「学校以外で一日当たりどれぐらいの時間勉強をしますか」という質問について、1時間以上の回答が若干減っていることが課題ということですが、これについてどのように分析していますか。また、学校以外の勉強に宿題がどの程度占めていますか。

教育センター所長(山本由紀子)
 家庭学習などの学校外での学習時間については、これまでも本市の課題であると捉えています。
 資料には、学校の授業時間以外に、1日あたり、1時間以上勉強したと回答した児童生徒の割合を示しています。
 分析の中で、小学校においては、「30分より少ない」は18.7%「全くしない」が11.1%と30分以下の児童は29.8%でした。
 また、中学校では「30分より少ない」が11.4%「全くしない」が9.9%と30分以下の生徒が21.3%で、小中ともに全国の値より、30分以下と答えた児童生徒の割合は高くなっており、引き続き取り組むべき必要があると考えています。
 学校以外の勉強に宿題がどの程度占めるかについては、今回の調査では分かりかねますが、家庭学習について一定の時間取り組むことは学習習慣の定着という観点から非常に大事であると考えます。
 宿題を出す際には、学習面で課題がある児童生徒や、児童生徒がおかれている家庭背景にも配慮をする必要があります。
 上手な勉強の仕方が分からない児童生徒にとっては、帰宅後に他者に相談できる環境がない場合、一人で宿題をすすめることは難しく、学習意欲が低下することが危惧されます。そういったことを踏まえ、昼休みや放課後に学習する教室を開放し、友達に聞いたり、先生に聞いたりして勉強する時間を設定している学校もございます。
 また、一人一台端末を活用することも有効ではないかと考えています。
 昨年度、教育センターでは一人一台端末を活用した授業づくりに係る調査を実施いたしました。一人一台端末を持ち帰り、「家庭学習に活用しているか」という調査にて「活用している」教員は約50%で「日常的に活用している教員」は10%程度でありました。
 教育センター研究校において週3から4日、家庭学習で一人一台端末内のドリル学習に取り組んでおります。共通問題に加え、個々に応じた問題が出題され、教師が正答数や取り組んだ時間について確認することができます。時間に関しては個によって違いがありますが、目安として30分程を想定し、課題を配信します。
 今後も、研究校の成果を分析し、効果的な活用については、共有していきたいと考えています。
 また、家庭学習と連動させた授業づくりを行う必要があります。
 授業で難しかったが、みんなでやったらできたことを今度は一人でできるよう挑戦するなど、日々の授業での学びと家庭学習を連動させ、家庭学習が何を目的とし、どのような力が身につくのか子どもたちと共有し自立した学習者を育成することも必要だと考えております。
 今後研究校の家庭学習の取組について、成果と課題について分析し発信してまいりたいと考えております。

浦野真彦委員
 非常に詳細な説明をありがとうございます。
 この1時間以上の勉強が減ることは、必ずしも悪いことばかりではないと思っています。
 例えば、タブレット端末の活用によって時間が減ることもあるかと思いますので、あまりネガティブに考えすぎないように分析をお願いしたいと思います。
 宿題は学校で完結すれば、ある程度減るのは当然なのかと思いますので、授業の改善も分析や検討をお願いします。

岡本華世委員
 中学校国語では、経年比較を見ると、令和5年から6年にかけて伸びてきているように思います。レーダーチャートでも、特にCの「読むこと」が全国比を大きく上回っていますが、授業で意識して先生方が取り組んでいることはありますか。

教育センター所長(山本由紀子)
 まず、「読むこと」についてですが、「文章と図の関係を踏まえて内容を解釈する」、「目的に応じて必要な情報に着目して要約する」などが意図され出題されました。文章の内容や展開を理解することに加え、目的に沿って情報を読み取る力が必要であると考えられます。
 生徒質問紙調査において「国語の授業で話を聞いたり文章を読んだりするときに、具体的な情報と抽象的な情報との関係を捉えて理解していますか」、「話題や展開を捉えながら話し合い、互いの発言を結び付けて考えをまとめていますか」、「自分の考えが伝わるように、表現の効果を考えて文章を書いていますか」という質問に対してすべて「当てはまる」という回答が全国を上回っております。
 また、「国語の授業がよくわかりますか」という質問に対し「当てはまる」との回答は、平成26年度と令和6年度を比較します19.3ポイントと、大きく増加し、授業改善の成果がうかがえます。
 授業においては、説明的文章や文学的文章をバランスよく取り扱い、目的に応じた読み方を学習するとともに、読んで理解したことや考えたことを友だちに説明するなどの活動を通し、自分の考えを広げたり深めたりしながら「読む力」の育成につなげることができていると考えております。

西田誠教育長
 今回の学力調査の結果について、大阪府と全国平均を上回っていることに関して良かったと感じています。
 また一方で課題の部分について、教育センターの詳細な分析を含めて、取り組んでいく内容をしっかり見定めていく必要があると思っています。それについては、授業改善等を含めて次に繋げていけたらと思っています。
 一つ気になっているのが、学習状況調査の「たかめる力」の「朝食を毎日食べていますか」や、「きりひらく力」の「将来の夢や目標を持っていますか」が少し低めに出ていて、学力調査との相関関係がどの程度あるのか難しいかと思いますが、子どもたちが大人になっていく中で、朝食や夢を持つことは大事なことと思いますので、授業改善を研究する際には努力をお願いしたいと思います。

西田誠教育長
 他に何かございませんでしょうか。
 それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
 続きまして、日程第2、報告第7号、「令和6年度大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(青野淳)                                 (提案理由説明)
 ただ今上程されました、日程第2、報告第7号、大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 すくすくウォッチにつきましては、令和3年度より、子どもたち一人ひとりが自らの強みを知り、学びの基盤となる言語能力や読解力、情報活用能力等を向上させ、これからの社会を生き抜く力を着実につけることを目的に実施されています。
 すくすくウォッチは、小学校の第5学年及び第6学年を対象に4月17日から4月25日の期間に、第5学年では国語、算数、理科と、教科横断型問題としてわくわく問題及びアンケートが実施され、第6学年では、理科とわくわく問題及びアンケートが実施されました。
 調査結果の公表の方法や内容等は、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。
 この点につきましては、令和2年10月の教育委員会議においてご議論いただき、「学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが『一人歩き』しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う」という決定がなされております。
 これらの決定をふまえ、本調査の概要及び結果を、今後ホームページに掲載する予定です。
 なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(山本由紀子)
 大阪府「すくすくウォッチ」について、説明させていただきます。
 まず、「すくすくウォッチ」の概要および結果をご覧ください。
 本市の調査結果についてですが、配布しております資料、左中段の表、「1教科別正答率(大阪比)」をご覧ください。
 今年度の高槻市の各教科における正答率は、5年生国語76.8%、5年生算数37.5%、5年生理科63.6%、6年生理科66.2%、5年生6年生わくわく問題67.2%となっており、すべての教科において、大阪府平均を上回る結果となっております。
 次に、右側の「2正答数分布・領域等別正答率」をご覧ください。
 まず、右端に示しているレーダーチャートに関しまして、学習指導要領の内容別の各項目は、直線で示しました全国平均に対し、点線で示した高槻市はいずれも外側に位置しており、国語・算数ともに、大阪府平均を上回りました。
 続いて各教科で、良好だった設問、課題の見られた設問についてご説明いたします。
 良好な点につきましては「白四角(□)」、課題につきましては「黒四角(■)」で表記しています。
 5年生国語は、正答率が70%を超える問題が17問中12問あり、全体的に正答率が高い傾向が見られました。特に、「文の中における主語と述語の関係に注意して、述語の部分を正しく書くことができる」問題において、大阪府の結果と比べて、高い正答率となりました。
 5年生算数では、すべての領域で大阪府平均を上回ったものの、自分の考えを書き、説明する問題については、課題が見られました。
 一つ取り上げますと、先生が運動会の玉入れの準備で運動場に円を書いている場面において、児童の「玉入れをする時、四角形ではなくなぜ円なのか」という問いに対し、説明を記述する問題でした。正答となるためには、条件を満たす必要があります。円の特徴を用いて「かごまでの距離が同じであること」と「線の上のどこからスタートしても同じであること」の2つの内容が書けて正答となります。本市では、必要な条件を満たしていない解答や無回答の生徒が、大阪府同様に多い結果となっておりました。
 続いて、理科の結果です。
 5年生・6年生共に、すべての領域で大阪府平均を上回りましたが、問題別に見ると、5年生では、3年生で学習する「太陽の沈む方角」についての正答率がわずかに大阪府平均を下回っておりました。
 6年生においては、11問中5問が5年生と同様の問題でそのうち4問において、5年生を下回る結果となりました。
 これらの結果から、授業の中で既習事項を活用し、さらなる理解の定着を図りながら知識・技能を身に付けていくことが必要だと考えます。
 最後に5年生・6年生の わくわく問題です。
 わくわく問題に関しましては、文章や絵、図、表、グラフなどを読み取りながら、自分の考えを表現する力を問う教科横断型問題でした。
 今年度は、身近な乗り物である「自転車」を題材とし、日常的な場面の中で数学的な見方考え方を働かせ解決する問題や、日本の伝統食文化の一つであり、児童にも人気のある「すし」を題材とし、様々な資料からの読み取り、それに基づいた思考を問う問題が出題されました。
 いずれの問題も大阪府平均を上回りましたが、複数の資料から読み取ったことをもとに、論理的に思考する問題は、正答率が低い結果となりました。
 複数の資料から必要な情報を得る力、論理的に思考する力を、授業の中で育む必要があると考えます。
 紙面左下の「3児童アンケート」の結果をご覧ください。
 こちらは「粘り強さ」や「ぶれない心」等、大阪府が設定した指標に基づき、児童一人ひとりの回答状況を表したレーダーチャートで、令和6年度の値を示したものです。
 令和6年度の5年生、6年生の結果は、「共感する力」や「いろいろなことへの興味・関心」の割合が高く、これらの点は高槻市の児童の強みと言えます。
 教科の問題や、わくわく問題の結果だけでなく、アンケートの内容も踏まえたうえで、子どもたち一人一人にウォッチシートと呼ばれる結果が返却されます。
 そこには、結果からみられた強みが記載されており、子どもたちが今後の目標を持ち、社会を生き抜く力を身に付けるためのアドバイスが記載されています。
 教育委員会事務局におきましては、すくすくウォッチの結果の公表をうけて、様々な視点からの分析を行い、全国学力・学習状況調査同様、分析結果を指導改善にいかしていきたいと考えております。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

西田誠教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

美濃律委員
 児童アンケートの「未来に向かう力」「好奇心」レーダーチャートの「ぶれない心」と「落ち着き」の数値が低いようですが、どんな質問項目がありましたか。そして数値が低いことの分析結果があれば教えてください。

教育センター所長(山本由紀子)
 「ぶれない心」は、次の3つの質問項目の結果によって表されています。
 1つ目は、終わるまでに何か月もかかる計画に、最後までずっと興味を持ち続けるのは難しい。
 2つ目は、新しいアイデアや計画を思いつくと、前のアイデアや計画から関心がなくなる。
 3つ目は、物事に対して夢中になっても、しばらくするとすぐに飽きてしまう。
 以上、3つの質問に対する回答として、「あてはまる」、「ややあてはまる」、「どちらともいえない」、「ややあてはまらない」、「あてはまらない」までの5つの選択肢の中から児童一人一人が選んだ回答を元に、「ぶれない心」の数値が算出されています。
 分析としては、新しいアイデアを思い付いたときに、前のアイデアや計画から関心がなくなることはプラスの面に捉えることもあれば、マイナスの面に捉えることもあります。この質問に対してどのように捉えるかは難しいところがあります。
 また、「ぶれない心」と「落ち着き」の数値が低いという結果は大阪府のレーダーチャートとほぼ同様であります。

浦野真彦委員
 数学では、伴って変わる二つの数量の関係を読み取る問題が良かったということですが、こういった比例の問題は以前、高槻市の課題となっていたと記憶しています。今回良かったのは、授業の工夫など具体的な理由があるのでしょうか。

教育センター所長(山本由紀子)
 今回出題された問題は、「使い終わったコップの個数と利用者が飲んだスポーツドリンクの量」が表で示されており、使い終わったコップの数を□個、利用者が飲んだスポーツドリンクの量を△mlとするときに、□と△の関係を式に表すものでした。表にはコップが1個の時はスポーツドリンクの量50ml、2個の時は100mlと表に示されており、両者が比例関係であることを把握し、「△=50×□」と書ければ正答となります。
 算数の授業の中での工夫についてですが、「伴って変わる二つの数量の関係」を扱う単元では導入時に具体的な物を操作するなど、体験的な活動を取り入れ、実感を伴った理解ができるように工夫をしている場面を、各学校の授業の中でよく見ます。
 日常生活の出来事を題材とし、二つの変化する数量の関係をイメージしながら捉えることができるよう、授業の工夫をしていることなどが考えられます。

松村洋子委員
 「わくわく問題」は、大阪府と比べて特によくできていたと思いますが、特に良好な結果となった設問はどのようなものですか。また、そこから見える成果があれば教えてください。

教育センター所長(山本由紀子)
 特に良好な結果となった設問は、2つあります。
 1つ目は、一つの資料の中から、必要な情報を読み取る問題です。
 例えば、「資料の内容を読んだ後に、4つの選択肢の中から資料の内容と違うものを選ぶ問題」では、良好な結果が見られました。複数の資料の情報を組み合わせて判断する問題には依然として課題が見られますが、一つの資料の中から必要な情報を読み取ることに関しては、一定の学習指導の成果が見られます。
 2つ目は、「自転車に関する困りごと」に対する自分の考えを書くなど、自分のアイデアを記述する問題で良好な結果が見られました。自分の考えを文章で説明する問題において、総じて高槻市は無回答率も府と比べて低く、まずは自分の考えを書き表す意識が、児童についてきていることは成果であると考えます。

岡本華世委員
 先ほどのわくわく問題の回答で、自分の考えを書くことは正答率が上がっているということでしたが、算数では、自分の考えを書き、説明する問題に課題があるようですが、どのような取り組みが必要ですか。

教育センター所長(山本由紀子)
 算数において、自分の考えを書き、説明するには、1つ目、問題の意味を捉えていること、2つ目、答えに行きつくまでの見通しがあること、3つ目、自分の思考過程を、算数で学習した言葉を使い、他者がわかるように言葉にして書くこと、などの力が求められます。
 これらの能力の育成には、授業において「なぜその答えになるのか根拠をもとに筋道を立てて考え表現すること」を通して、自分の考えを数学的な表現を用いて書き説明する活動に取り組むことが重要です。
 また、互いに自分の考えを伝えあい、共有することで質的に高めることができると考えます。数学的表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表せているかどうか、また伝わるものになっているかなど他者との対話を通して相互に影響し合いながら算数の学習を充実させることが必要です。自分の考えを書き説明する力は算数の授業だけで育むものではなく、様々な教科において、自分の考えを文章にして書く時間を設けることも、効果的な取組であると考えています。

西田誠教育長
 すくすくウォッチは経年比較できるものはありますか。

教育センター所長(山本由紀子)
 経年比較できるデータがございます。

西田誠教育長
 委員からいろいろご意見がありましたが、強みや課題があるかと思います。今回の資料では単年の課題等が出ていて、もしこれが経年的に出てくるようでしたら、重点的に指導していくことも必要かと思います。経年比較も分析しながら、今後の授業改善等にも取り組んでいただけたらと思います。

西田誠教育長
 他に何かございませんでしょうか。
 それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
 以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。

 

 

(午前10時43分閉会)