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令和6年度 第1回高槻市環境・温暖化対策審議会
令和6年11月13日(水曜日)午前10時から
高槻市役所 本館3階 第2委員会室
3名
15名
議事1 開会
議事2 会長及び副会長の選任について
議事3 令和5年度の環境施策の進捗と評価について
議事4 令和6年度版たかつきの環境に対する市民意見と市の考え方について
議事5 その他
議事6 閉会
<事務局>
議事1 開会。
議事2 会長及び副会長の選任について。
<会長>
議事3 令和5年度の環境施策の進捗と評価について、事務局に説明を依頼。
<事務局>
(冊子)令和6年度版たかつきの環境-高槻市環境報告書-にて説明。
<委員>
二点質問する。
一点目は、水質に関してPFAS関連の独自の測定を行っているのか。行っていればその結果を知りたい。
二点目は、86ページに緑化協議とあるが、近年、民間の建築物の設置にあたり、グリーンインフラという観点から環境配慮建築物の項目の中で、生物多様性に関する項目が次第に重視されるようになってきている。緑化協議案件が何件ぐらいあって、協議の結果、グッド・プラクティスがあれば教えていただきたい。
<事務局>
一点目のご質問に対し、高槻市においてPFASの測定は、大阪府の水質測定計画に基づき、現在、4つの河川において測定を行っている。令和6年度の測定結果について、塚脇橋7ng/L、磐手杜神社29 ng/L、天童橋20 ng/L、玉川橋17 ng/Lとなっている。指針値が50ng/Lであり、いずれも下回っている。
<会長>
市民の飲用水についてはどうか。
<事務局>
飲用水のPFASの測定について、環境部局で測定はしていないが、水道部局で、原水となる地下水の調査を実施している。結果として、指針値以下であると聞いている。
<事務局>
二点目の緑化協議の件で、一定面積の開発行為を行う場合に、敷地面積に応じて一定の割合の緑化を義務づけている。件数については、29ページ「民間施設緑化指針に基づく緑化の推進」が該当し、令和5年度54件と前年度より増えている。面積を増やすということについても目標値は達成している。木を植えるだけでなく、壁面の緑化や太陽光発電を設置する場合に、緑地として換算する等は行っているが、単純に緑地の面積を増やすという指導を行っており、生物多様性に関する視点は今後の課題になろうかと思う。
<委員>
三点質問する。
一点目は、20ページから26ページの自然環境について、16プログラム中2プログラムが未達成であり、21ページの「森林施業の支援」は実績値が低く、この実績の低さが22ページの「台風による被災森林の復旧」の実績に影響を与えているならば、それは被災森林の放置ということであり、土壌崩壊、斜面崩壊に繋がる恐れがある。「今後努める」とあるが具体的な考えを教えてほしい。
二点目は、24ページの「特定外来生物の防除」について、生物多様性の保全を実行しようとしたときに、高槻市は「河川を軸に人と自然をつなぐみどり豊かなまち」と謳っているが、河川の水草の特定外来生物については明記されていない。アライグマ捕獲頭数としては実績があるが、生物多様性の保全としては弱いと感じるがどうか。
三点目は、国は30by30目標として、2030年までに陸域と海域の30%以上の保全を目指している。高槻市は面積や木を植える本数を目標としているが、森林のような陸域の保全目標として何%くらいを目指しているのか。
<事務局>
一点目の台風による被災森林について、平成30年の非常に大きな台風による被害は、激甚災害に指定され5年度間は国の特別な予算措置があり、この間は作業が進んだ背景がある。令和4年、5年はこの期間が終了してしまい、一般の事業で残った被害を復旧しなければならず、予算確保が難しくなった。改めて国・府へ要望等を行い、復旧に努めていきたい。
二点目の、アライグマに関しては令和5年度の捕獲頭数が111頭と、農業に対して深刻な被害が出ている。特定外来生物もたくさんあり、他にも例えばクビアカツヤカミキリへの対応にも注力しているところであるが、特に被害が多いアライグマに特化した記載になっている。
<委員>
生物多様性の保全について、特定外来生物の防除のための指標をアライグマの捕獲に係る指標を用いているが、農林業被害への対策として掲げているものと思われる。生物多様性の保全として、予算の関係から、アライグマ以外の特定外来生物の防除は全く進んでいないのか。それとも他のところも対応はしているが、指標としてあげていないだけなのか、考え方を伺いたい。
<事務局>
他の特定外来生物の防除についても問題意識はあるが、予算等に限りがある。全ての防除、根絶は難しく、一般的な対策としては被害の拡大・拡散防止を行っている。通報があれば、市内を移動させないように等をお願いしている。そういった動植物の情報についてはストックしており、特別に対策を講じないといけない事態になれば、改めて動くということになる。今は、クビアカツヤカミキリについて予算を計上している。
<委員>
特定外来生物に対する対応は理解した。引き続き対応を続けていただきたい。これは意見だが、高槻市は生物多様性の保全と謳っているので、もう少し他の特定外来生物の情報も記載すると、より良いのではないかと思う。
先ほどの質問の三点目についてだが、30by30を意識した目標は持っているのか。
<事務局>
三点目の質問について、「みどりの基本計画」という緑に特化した行政計画があり、細かい指標が定められている。指標の一つ目「緑視率」、一目で緑がどの程度あるのか、二つ目に「緑被率」、緑にどの程度覆われているのか、を計画策定時に経年変化で追いかけている。緑をどのように増やしていくかについては、開発行為時に緑地を確保してもらうことや、森林界隈災害を受けたところには、木を植えるなどで、改善を図るということを対応策とし、結果として、緑を増やせればと考えている。生物多様性に関する新たな動向については、現状把握に努め、今後取り組んでいく。
<委員>
希望だが、30by30という国の目標に対して、高槻市それぞれ何%ぐらい確保できているのか、またの機会に伺おうと思う。
<委員>
先程の委員のご質問に対する回答に関連することで意見をする。
台風の被災後、直ちに復旧計画を作成し、それに沿って進めているところだと思うが、復旧を進める中で、計画より早めて復旧すべきところも出てきたり、後回しにしてもよいところも出てきたりしてくる。当初の計画通りに進めることも大事だが、現場のニーズに合わせて、中間的な見直しも必要ではないかと思う。
23ページの「鳥獣被害対策の推進」で意見する。ここでは農業被害について書かれているが、林業被害もある。シカが大変増えており、草、低木の葉を食べ尽くしている状況にある。被害額のような数字では表せないような多様性への影響が出ることを懸念している。
一点質問する。22ページの「公共施設における木材利用の推進」は施設所管課への周知回数が目標達成しているが、どういった内容で周知しているのか。
<事務局>
公共施設の建て替え時等、できるだけ木材利用を検討するよう施設所管課に周知している。ただ大きな建て替え等が、頻繁にあるわけではなく、目標は、木材使用量や利用施設数ではなく、周知回数としている。
<委員>
環境のために木材使用量が大事だということは、施設所管課も理解していると思う。実際木材を利用する上での事例紹介や、技術的な観点からの課題・解決策の周知など、さらなる木材利用が進むような周知内容を検討してほしい。
<委員>
質問ではなく要望である。各プログラムが3年ごとにそれぞれ単独の数字が入っている。本来の目的、あるべき姿が何かが分からない。例えば29ページの「みどりと憩いの空間を創出する公園の整備」は毎年9件の目標値だが、現時点で合計何件の整備対象があるのか。何年間で終了するのか。本来のあるべき姿に対し、今何割できているのか。などが分かれば全体の活動計画が分かると思う。
<事務局>
全体の最終目標を示した方が分かりやすいとは思うので、今後検討したい。
<委員>
要望であるが、PFASについて市民から聞かれる機会が増えるので、河川、井戸水等どういうところでチェックしているのか、また基準値、実測値を記載してほしい。
<委員>
地球温暖化関係で質問する。一点目は、45ページの図2-4では、部門別温室効果ガス排出量が、年々減っていると見えるが、縦軸が万t-CO2で、ジュールに換算すると本当に減ったのか。電力会社の排出係数が変わってきたということであるが、実際減っているのか、お聞きする。二点目は、2030年以降、どのように取り組んでいくのか、考えをお聞きする。三点目は、53ページの「たかつきエコオフィスプラン」では、市の施設からの温室効果ガス排出量の目標について書いてあるが、2030年度までに2013年度比で51%削減とある。厳しい目標値を出しているが、2023年で31.5%減っており、残り6年で51%削減を目指すため、あと20%減らさなければならない。1年間に換算すると、3%から4%減らすことになるが、見通しはあるのか。
<事務局>
一点目の熱量換算をした場合、2013年度の温室効果ガスの基礎排出係数を固定して、2021年を算出すると約10%程度の減少となる。
二点目の2030年度以降について、現在の計画では2030年度を最終目標、計画期間としており、明記していない。次期「たかつき地球温暖化対策アクションプラン」を見直す時期に適切に設定していきたい。
三点目のエコオフィスプランの目標値について、当初40%削減の目標値を設定していたが、令和3年度に達成したので、51%に引き上げた経緯がある。排出係数の関係で、今回削減量が31%程度になっている。現在、市有施設の大規模改修の際には、省エネ改修に取り組んでおり、その効果を見ながら、2030年度に目標達成できるよう取り組んでいく。
<委員>
19ページの「鉄道の騒音・振動の調査」の結果、改善されたのかどうか。また、騒音振動について、地域から苦情等出ているのか聞きたい。
34ページの「有機質廃棄物の堆肥化促進」について、ずっと未達成であるが、生ごみを堆肥化しても集合住宅では利用するところがないといった課題があると思うが、いかがお考えか。
温室効果ガスについて、今国は2030年までに30%ではなく46%削減だったと思う。2030年度までの目標を見直すのか。
<事務局>
一点目、新幹線の状況について、全部で6地点において調査している。改善の状況については、12.5メートルの地点で環境基準の達成状況を見ると、平成30年度までは0地点であったが、現在の結果は3地点で達成している。防音壁の設置等によって、改善してきていると考えている。
地域からの苦情については、令和5年度においては、本市に対して2件、JR東海に対して3件寄せられている。本市への苦情については、現地調査を行った上で、JR東海へ原因の調査や改善の要望をしている状況である。JR東海では、全ての苦情に対し測定を実施し、路線のメンテナンス等を実施するなどして対応している。
二点目、堆肥化容器について、令和4年度に大きく台数が減少したことから、令和5年度は周知に力を入れたが、未達となってしまった。今後も広報誌、ホームページ等で周知を図っていきたい。堆肥の利用に関する課題は、対応を検討したい。
三点目、アクションプランの目標値について、国の目標値と少し乖離があるということであるが、今国で関連する計画の見直しに取り組んでいるという情報を得ている。その結果、新しい指標が示されると思うので、そのような情勢の変化や次年度以降の達成状況を見ながら、見直し等の時期も含めて検討していきたい。
<委員>
鉄道の騒音・振動の調査については、防音壁などで対策されても、自宅が揺れるといったお声を聞いている。JR東海と連携して、対応してほしい。
堆肥については、利用方法がないから促進が進まないと思うので、利用方法を検討いただいた上で促進してほしい。
温室効果ガスについては、削減目標をもっと高く設定し、2050年に温室効果ガスの排出ゼロを目指して取り組んでいただきたい。
<委員>
2022年3月18日付で、高槻市の気候非常事態宣言が出されたことによる行政の意識や取り組みの姿勢の変化について教えてほしい。
<事務局>
気候非常事態宣言を発出して以降、今まで取り組んできたことをより一層徹底している。具体的には、市民に対して、様々な省エネ・創エネ機器の設置に関する支援や、イベント、広報媒体を通じて、市民の意識啓発に注力している。また、市役所の事務事業に関するCO2排出量削減に向けて、施設改修の際に省エネ化に取り組んでいる。
<委員>
11ページから12ページ、1-2)環境学習と人材育成で、たかつき環境市民会議と協働しながらたかつき市民環境大学に取り組んでいるが、これらの活動の中で温暖化に対する啓発行為が弱いと感じる。自然中心の講座になっているイメージがある。要望であるが、環境大学だけでなく、行政が関与する市民参加・参画の具体的な形が欲しい。
<委員>
資源循環の関係で、意見が二点ある。
一点目、目標設定と評価の関係について、現実的な目標設定のもとに、市民と一緒に取り組んでいく形での施策の推進が必要ではないか。
二点目、リサイクル率について、近年リサイクルしやすい資源ごみや紙等の排出そのものが減っていることにより、リサイクル率が頭打ちになる、或いは下がってしまう傾向になる問題がある。その中でどういう目標値や指標を設定して、リサイクルの推進を評価していけば良いのか、今後一緒に考えさせてほしい。
<事務局>
我々としてもこれまでどおりリサイクル率をもって推し量ることは難しく、どう管理していくか課題であると考えている。一緒に勉強させていただきたい。
<委員>
44ページから45ページの温室効果ガス排出量について、二点質問する。
一点目、年度によって変化する排出係数はどこに掲載しているのか。
二点目、図2-2国の温室効果ガス排出量について、2021年はコロナが落ち着いて経済活動が活発になり、2020年より増加しているが、図2-4市の温室効果ガス排出量では、2021年は減少している理由は何か。
<事務局>
一点目の排出係数については、冊子に記載はしていない。掲載については今後検討したい。
二点目の温室効果ガス排出量については、図2-3部門別温室効果ガス排出量の割合によるところと考えている。高槻市の特徴として、家庭部門が多く、経済活動が戻ってきた影響を受けにくい構成になっているため、2021年に減少したものと推察される。
<委員>
排出係数については、排出量の増減に関わるデータであるため、掲載するようお願いする。部門別の影響であるならば、それに沿った対策を打っていただきたい。
<委員>
要望だが、農業の残渣処理について、農業従事者は条例でわらや草などの残渣の焼却処理は問題ないとされているので、細心の注意を払って残渣処理しているが、近年住宅地が農地に迫ってきており、処理に対し苦情の通報をされることが増え、苦心している。
残渣を焼却処理できないとなると、高齢化している農業従事者の負担が増え、農業を続けていくことが難しくなる。また、農業従事者の減少による遊休農地が増加すると、遊休農地への対策予算なども必要になる。農業は、国家としての重大課題であるため、高槻市としても農業従事者が農業を続けやすいよう環境政策の中で重きを置いて施策を検討してほしい。
<事務局>
野焼きについては、洗濯物に匂いがつくとか、或いは体調面の不安等による通報があると、私どもは、控えてくださいと話をせざるを得ない。生活環境保全という面で配慮をいただきたいと申し上げることになる。
<委員>
野焼きは特例として認められていること、野焼きが大切なことを説明したチラシを地域で毎年1回、回覧している。また、残渣はなるべく大型ごみに出してもらうことを推奨しているが、高齢化により運ぶのも大変である。
生ごみの堆肥化容器は一般家庭には向かない大きさであり、改良できないか。生ごみの減量や電気のLED化等、家庭は協力しているはずだが、それでも家庭部門の温室効果ガス排出量が多いとなっている。どれだけの協力をすればどれだけ減るという目安を明示していただけたらと思う。
<事務局>
こういうことをしたらこれぐらいCO2が減る、省エネになる等、様々なホームページで見ることができるので、より効果的に情報発信できるような形を検討したい。
生ごみ堆肥化容器については、以前は市から提供する大きな容器を提供していたが、現在は、使用者が使用しやすいものを購入いただき、それに対して、補助を行う形としている。使用者が容器の大きさを選択できるものになっている。
<委員>
生ごみ処理機は高価なので、もう少し援助できないか提案する。
-5分休憩-
<会長>
議事4 令和6年度版たかつきの環境に対する市民意見と市の考え方について、事務局に説明を依頼。
<事務局>
資料1 令和6年度版たかつきの環境に対する市民意見と市の考え方について にて説明。
<委員>
たかつきの環境の報告とご意見伺いについて、ホームページに掲載されている。アクセス数がどれくらいあったのか、わかれば教えていただきたい。
<事務局>
アクセス数については把握していない。
<委員>
アクセス数について、調べていただいて後日連絡いただきたい。
<委員>
NO.27の市の考え方及び対応で、「お問い合わせください」とあるが、市民にとってハードルが高いので、例えばWebのURLやQRコードを入れて、詳しいデータがわかるように案内してほしい。発信の仕方は、行政と市民を繋いでいく中で、興味を持つ若い人を育てることが大事ということも含めて、検討いただきたい。
<委員>
たかつき市民環境大学を市が主催されている。私も関係しており、今年の受講生20人程にヒアリングしたが、残念ながらほとんどの方が「たかつきの環境」のことを知らなかった。これだけの内容があるものなので、たくさんの市民の方に知ってもらいたい。市民の理解や協力を得るためには、SNSだけでなく、報告の場を何回か設けるなどの検討をお願いしたい。
<委員>
No.12の高槻市総合雨水対策アクションプランに関することについて、これと第2期たかつき地球温暖化対策アクションプランが適応した状況にないという趣旨に読めてしまう。しかし、第2期たかつき地球温暖化対策アクションプランの20ページに災害、雨水貯留施設整備のことも書いてある。市民の意見の趣旨は、統合的取り組みとして関連するものがあることを示してほしいというものと思われる。資料にあるとおりだと、関連する計画として認識していることが伝わらないので、記載方法は変更した方が良いと思う。
<会長>
事務局は各委員からの意見等を踏まえ、本年度以降の環境政策の推進に活かすこと。
議事5 その他として事務局に説明を依頼。
<事務局>
令和5年度に3回にわたり審議いただいた、太陽光発電施設の適正な設置のための手続き等に関する条例について報告する。本条例案について、令和6年3月の高槻市議会で可決され、令和6年7月1日に施行した。条例の策定にあたり、委員の皆様から貴重な意見、多くの議論の時間をいただいたことを、改めてお礼申し上げる。なお、現時点において、本条例に基づく申請や事前の相談等は寄せられていないが、引き続き条例の適正かつ円滑な運用を図っていきたい。
<会長>
議事6 閉会
本日は審議会の運営にご協力いただき、お礼を申し上げる。以上を持って、閉会とする。
資料1 令和6年度版たかつきの環境に対する市民意見と市の考え方について (PDF:922KB)
(冊子) 令和6年度版たかつきの環境-高槻市環境報告書- (PDF:10.82MB)
資料 高槻市太陽光発電施設の適正な設置のための手続等に関する条例 (PDF:379KB)