ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

第2回高槻市学校教育審議会会議録

ページID:133347 更新日:2024年8月27日更新 印刷ページ表示

開催日時

令和6年7月26日(金曜日)午後1時00分開始

配布資料

審議内容

令和6年7月26日(金曜日)午後1時00分、第2回高槻市学校教育審議会を開催した。

 

出席委員

一柳 康人 委員
城下 英行 委員
津田 和美 委員
蛭田  勲 委員
鎌田ひとみ 委員
山本 新一 委員
高木 祐樹 委員
安盛 啓史 委員
田中 健文 委員
八尾 洋美 委員
山田めぐみ 委員
入江 隆男 委員

出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 青野  淳
教育次長代理 前迫 宏司
教育次長代理 杉野 暁子
教育政策推進官兼教育政策課長 藤田 卓也
教育総務課長 橋長 忠司
学校安全主幹 川本  亨
保健給食課長 松岡 広樹
教育指導課長 小寺 基之
教職員課長 武藤  亮
教育センター所長 山本由紀子
みらい創生室主幹 阿部 倫子
コミュニティ推進室主幹 津波古りえ
保育幼稚園総務課長 立田 晋平
教育政策課課長代理 小澤 祐樹
教育政策課主査 菊川 雅也
教育政策課指導主事 村山  健
教育政策課 土井 直人
教育政策課 芦田 諒太

傍聴者 :15名

 

【会長】
 定刻となりましたので、第2回高槻市学校教育審議会を開催させていただきます。
 本日の会議につきましては、「高槻市学校教育審議会の会議の公開に関する要綱」第2条の規定に基づき、傍聴を許可したいと思いますが、傍聴の方はおられますか。

【事務局】
 傍聴希望者がおられます。

【会長】
 本日、傍聴希望の方がおられるということですので、傍聴を許可したいと思います。では、傍聴の方に入場いただいてください。

 

<傍聴人入室>

 

【会長】
 さて、本日の議題は、次第にあります3点になります。
 まずは、配付資料の確認をしたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。

【事務局】
 本日の配付資料について、ご確認をお願いしたいと思います。
 まず、1点目が本日の次第
 2点目が、第2回高槻市学校教育審議会 資料
 3点目が、別添1から3をとじたもの
 4点目が、第3回学校教育審議会(学校視察)に関する事前調査
 5点目が、審議会スケジュール(案)
 以上5点でございます。不足等ございましたら、お知らせいただきますようよろしくお願いいたします。

【会長】
 それでは、議事1の「審議内容について」に移らせていただきます。
  第1回では、高槻市が進めてきた教育改革の流れや連携型小中一貫教育の取組、義務教育学校制度などについて事務局から説明がありました。
 そこで、審議を進めるにあたり、高槻市の連携型小中一貫教育の具体的な取組と成果及び課題、全国や府内の義務教育学校の設置状況などについて理解を深める必要があることから、事務局に説明をお願いしておりました。
 まずは、事務局から説明いただき、その後、協議を行いたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】
 
それでは、資料を用いましてご説明させていただきます。
 配付資料「第2回高槻市学校教育審議会資料」及び「別添資料」をご覧ください。
 なお、ページ番号は資料右下にございます数字でご確認ください。
 2ページをご覧ください。
 第1回審議会では、20年以上にわたる本市の教育改革の流れをご説明しました。
 本市では、平成12年の「高槻市教育改革懇話会」の提言を受け、以降、様々な教育施策を展開してまいりました。特に、平成28年に、「連携型小中一貫教育」を全ての中学校区で導入し、義務教育9年間を一貫した教育を開始しました。
 3ページ及び4ページをご覧ください。この「連携型小中一貫教育」は、小学校6年、中学校3年という“学校種”別ではなく、義務教育という9年間を見通した取組の必要性から議論されたもので「小・中学校のカリキュラムの区分を弾力化し、義務教育というくくりで再編成することが、学校教育を取り巻く様々な課題を克服する上では、有利である」という考えのもと、実施されるものです。この施策を実施するにあたり、平成22年に、本市における「連携型小中一貫教育」の目的として5点にまとめ、取組を開始しました。
 5ページをご覧ください。この目的に基づき、本市では、同一中学校区内の小・中学校で、共通の『(1)目標 (2)指導内容 (3)指導方法』が、義務教育9年間を貫いて設定され、実施される教育を「連携型小中一貫教育」とし、このような教育が実施されている学校を「連携型小中一貫教育校」と定義しました。
 そして、全ての中学校区での「連携型小中一貫教育」の実施を目途に、平成22年度より、第二中学校区と第四中学校区をモデル校区として指定し、研究を進めました。
 6ページをご覧ください。こちらは、「連携型小中一貫教育校」として指定するための“条件”をまとめたものです。
 その内容としては、

  • 共通の教育目標(共通の目指す子ども像)が策定されていること
  • 指導内容、指導方法が義務教育9年間を貫いて設定され、連続性があること
  • 4・3・2制によるそれぞれの発達段階に応じた“目標の重点化”と“取組の焦点化”が行われていること
  • 児童・生徒の教育活動に連続性があること
  • 教職員間の連携が充実していること
  • 地域、保護者の理解と協力が見られることとしております。

 この6つの条件が整った校区を「連携型小中一貫校」として認証を行いました。
 なお、「4・3・2制」とは、従来の「6-3制」、つまり小学校6年間、中学校3年間を単に接続するのではなく、義務教育9年間を一貫したものとして再構築するために「4年-3年-2年」という新たな区切りで考えるものです。
 「連携型小中一貫教育」では、小学校と中学校をどのように接続し、一貫性のある教育を展開できるかが課題であり、接続期である中期を1つのまとまりとして、学年段階の区切りを設定しています。
 7ページをご覧ください。こちらは、平成25年に、「連携型小中一貫教育」を周知するために作成したリーフレットに記載の当時の実施スケジュールです。
 平成22年度の第二中学校区ならびに第四中学校区の研究指定を皮切りに、平成24年度以降、段階的に、全ての中学校区が「連携型小中一貫教育研究校」として2年間の研究・準備を行い、先ほどの6つの項目を指標に取組を進めました。
 そして、平成27年度までに、全ての中学校区が研究及び認証を終え、平成28年度からは全ての中学校区が「連携型小中一貫教育校」としてスタートいたしました。
 このように、本市の「連携型小中一貫教育」は、単に小・中学校の連携強化のみを目指したものではなく、明確な方針の下、計画的に導入・展開してきたものです。
 8ページをご覧ください。このように進めてまいりました「連携型小中一貫教育」について、第1回審議会では、「学習指導」「生徒指導」「地域連携」「学校組織」の観点から、その成果をご説明させていただきました。
 9ページをご覧ください。「連携型小中一貫教育」の中核となるのは、義務教育9年間を見通し、系統性・連続性のあるカリキュラムを編成・実施することです。
 教職員の共通認識の下で、9年間を見通した学校教育の目標(めざす子ども像)をなるべく具体的に設定したうえで、各教科等の系統性を重視したカリキュラムを編成し、各学年の年間指導計画として実施する必要があります。
 資料は、本市の各中学校区が「連携型小中一貫教育」として実施している取組例を示したものとなります。
 各中学校区の取組は、全ての中学校区共通の取組や、それぞれの校区の実情に応じて独自に行われる取組があります。その中から、具体的な実践事例を一部紹介いたします。
 10ページをご覧ください。別添資料に拡大したものがございますので合わせてご覧ください。
 まずは、「中学校区グランドデザイン」の策定です。グランドデザインとは、自校の教育ビジョンを全体構想図として示したものです。本市では、この全体構想を中学校区の9年間の教育ビジョンとして作成しています。
 本市においては、中学校区の目指す子ども像、中期的な中学校区の経営ビジョン、今年度の中学校区の教育目標と重点取組を中心とした構想を、中学校区の校園長会や連携会議で検討して策定しています。このような中学校区での構想をもとに、各校のカリキュラムを編成しています。
 11ページ及び別添資料の2をご覧ください。こちらは、小・中学校の教員が、各教科の指導内容の系統性を理解し、日々の授業にいかせるように作成された、学習内容の系統表です。お示ししているものは、「理科」の例です。これにより、教職員が小学校から中学校への内容のつながりを把握し、より効果的な指導にいかすことができます。
 この「系統表」につきましては、教育委員会指導主事と教員によるワーキンググループでモデルを作成し、その後、市全体で、各教科の内容を作成いたしました。
 12ページ及び別添資料3をご覧ください。こちらは、「キャリア教育全体計画」です。
 キャリア教育は、一人ひとりの生き方に関わる教育であり、子どもたちの成長を考えたとき、小・中学校が、児童・生徒の将来をともに見据え、互いに協力しながら連続性のある教育を行うことが必要であるとされています。本市では、中学校区のキャリア教育の充実に向け、中学校区で9年間を見通した具体的な目標と取組が計画されています。
 13ページをご覧ください。こちらは、「総合的な学習の時間」の内容が、9年間の系統性を踏まえたものとなるよう中学校区で図式化を行い、共通理解を図ったものです。各学年での学びのつながりをイメージしやすくまとめたもので、中学校区の教職員で活用されるとともに、校区の取組を発信する場面においても活用されていると聞いています。
 14ページをご覧ください。ここまでは、「指導内容」の連続性に関わるものをお示ししましたが、こちらは、「指導方法」の連続性について中学校区で作成されたものです。
 効果的な学習指導を行うためには、教科等の系統性・連続性を踏まえるとともに、各教科等にまたがる指導方法についても、発達の段階を踏まえた一定の方針を持ち、指導を行うことが重要となります。
 こちらの資料は、授業などで児童・生徒が自ら説明する場面において、どのような姿であればよいかを中学校区の連携会議等で検討し、作成されました。教員の指標として指導にいかすだけでなく、小中学校の教室等に掲示を行うことで、子どもたちとも共有がされています。
 15ページをご覧ください。こちらは、「家庭学習の手引き」として、中学校区で作成し、児童生徒及び保護者に配付しているものの例です。家庭学習の習慣は、学力保障の観点から、また生涯学習を見据えた主体的な学習者の育成の観点からも、大変重要であるとされており、その習慣化については、段階的な取組を組織的・継続的に行うことが大切です。一方で、小学校と中学校での違いの一つとして「家庭学習の在り方」があげられることから、中学校区で検討を行い共通の手引きとしてまとめているものです。
 16ページをご覧ください。学校においては、子どもたちが安心して学べる学習環境を、学年段階や学校段階を超えて安定的に確保するためには、9年間を見通した学習規律や生活規律を設定することが重要です。
 こちらは、生徒指導において、小中学校の指導の連続性を研究し、ルールブックとして作成している取組例です。基本的な学校生活上のきまりについて、小学校と中学校の違いや発達段階に応じた指導等について協議し、作成されました。
 17ページをご覧ください。「連携型小中一貫教育」の枠組みを活用した取組は、小・中学校の教職員間の議論により、共通の認識を醸成するというプロセスが重要となります。全ての中学校区には「連携型小中一貫教育」を推進する組織があり、校区として本市の様々な教育施策を推進させるだけでなく、それぞれの中学校区の実態に応じた取組が進められています。
 18ページは中学校区の教職員の連携会議や、中学校区で行われる授業研究や教職員研修の様子、また、19ページは小中学校の異学年交流の場面です。
 20ページをご覧ください。ここまで、本市での具体的な取組内容を紹介してまいりましたが、その取組の状況を数値で見てみたいと思います。お示ししている資料は「令和5年度全国学力・学習状況調査」の学校質問紙調査の一部で、校種間連携に関わる内容です。
 「前年度までに、近隣等の小(中)学校と、教科の教育課程の接続や、教科に関する共通の目標設定等、教育課程に関する共通の取組を行いましたか」という質問については、肯定的な回答が85.4%でした。また、「前年度までに、近隣等の小(中)学校と、授業研究を行うなど、合同で研修を行いましたか」という質問については、97.5%の肯定的な回答がありました。全国の数値と比較して、いずれも肯定的評価が高いことからも、各中学校区での継続的な取組として定着していることが伺えます。
 21ページをご覧ください。こちらは、全国学力・学習状況調査の結果を経年比較したものです。小学校の国語・算数、中学校の国語・数学・英語について、基礎的な問題と応用的な問題という区分がなくなった、平成31年度以降の本市の結果を、グラフ化したものです。なお、令和2年度については、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、実施されておりません。
 ご覧のように、令和5年度の調査においても、全ての区分で全国平均を上回る結果であり、全体的に上昇傾向が見られます。学力調査は、あくまでも学力の一面であるとともに、この結果は、様々な教育施策の成果によるものではありますが、「連携型小中一貫教育」の取組がその一助を担っているものと考えます。
 22ページをご覧ください。第1回審議会で、顕在化した新たな課題についてご説明いたしました。
 「学習指導面」「生徒指導面」では、取組が求められる喫緊の教育課題として“教育格差の拡大”や不登校児童生徒数の増加を、「地域連携」では、コミュニティ・スクールにおける中学校区での学校運営協議会の設置により、中学校区単位での地域連携の、さらなる活性化が求められること、そして、これらの課題について取組を進める「学校組織」については、組織上は独立した小中学校のため、各中学校区には複数の校長、複数の学校組織が存在し、この「組織上の課題」に起因する様々な制約に直面していることをご説明しました。
 23ページをご覧ください。本市の「連携型小中一貫教育」は、既存の小学校及び中学校の枠組みは残したまま、9年間の教育目標を設定し、系統性・連続性のあるカリキュラムを編成し実施をするものです。本市では、モデル校区での研究開始から10年以上が経過し、各中学校区では、本日ご説明させていただきましたように、着実に実践を積み重ねているところです。その結果として、さらに取組を進める過程で、学校の努力や工夫では解消が難しい「連携型小中一貫教育」の“制度上の限界”が、課題として浮き彫りになりました。
 例えば、中学校区が共通の教育目標であるグランドデザインを策定し、系統性・連続性のある教育活動が実現されていますが、複数の学校組織が存在することから、小中が接続する中期の充実の難しさが課題としてあげられます。
 また、小学校と中学校が別々の学校制度として設計されていることや、児童・生徒の発達の段階により求められる教育活動が異なるため、指導体制や指導方法などの様々な違いが、いわゆる学校の文化として積み上げられてきました。
 「連携型小中一貫教育」は、組織上独立した小学校及び中学校によるものであるため、取組のさらなる充実や発展に際しては、児童・生徒や教職員、保護者、地域の意識の醸成が課題となります。
 本市では、「連携型小中一貫教育」の取組の成果をさらに伸ばすことを目的に、取組を進める上で表面化した課題と、22ページで説明しました現在の喫緊の教育課題に向けて、義務教育9年間を一貫して行う「義務教育学校制度」を導入することで、学校教育のより一層の充実を図ってまいりたいと考えます。
 「義務教育学校」は、小学校と中学校が別々の組織として設置されていたことに起因した様々な実施上の課題が解消され、一貫性のある取組が容易になるなど、義務教育9年間を一貫した取組を、継続的・安定的に実施できるものとされています。
 これまでの取組のさらなる発展及び課題の解消に向け、義務教育学校の設置に係るご審議をよろしくお願いいたします。
 続きまして、24ページをご覧ください。全国及び府内の義務教育学校の設置状況についてご説明いたします。資料は、令和5年度の学校基本調査をもとにした全国の義務教育学校の学校数と設置形態の内訳を示しております。
 令和5年度で、全国では、国立5校、公立が201校、私立が1校設置されており、前年から29校増加しています。また、その設置形態については、施設一体型が187校、施設隣接型が7校、施設分離型が12校、その他が1校となっております。
 25ページをご覧ください。続いて、大阪府内の義務教育学校設置状況です。
 令和6年4月時点で、義務教育学校を設置しているのは、表にあります10市町になります。東大阪市の2校以外は、全て施設一体型で設置されています。
 また、現在設置計画を進めている市町として、交野市、門真市、豊能町、泉南市などがあります。大阪府内におきましても、多くの市町で取組が進められているものです。
 ひとまず、説明は以上です。

【会長】
 ありがとうございます。
 委員の皆さんに、事務局の説明を受けて、ご意見をいただきたいと思います。
 まずは、連携型小中一貫教育の取組について、学校現場におられる校長先生に、現在の取組状況などについてお話を聞きたいと思いますがいかがでしょうか。

【委員】
 現在、中学校の校長として、連携型小中一貫教育を進めておりますが、教育を進めていく上で、根底を担っているのは「教員の働く姿勢」が一つ挙げられると思います。先ほど説明のあった、連携型小中一貫教育の成果における、教職員の「協働」や「連携」について、日頃感じていることをお話ししたいと思います。
 グランドデザインの説明がありましたが、それぞれの校区でどんな子どもを育てたいか、どんな大人になってほしいかという話をよくすることがあります。小中学校の先生が集まって、様々な話をしている様子を見ていて思うことは、論議しながら、教職員集団が非常に親密になっていくということです。違う学校の先生ではありますが、小中一貫というものを前提に研修や会議を繰り返すことで、「校区」というまとまりが自然と感じられる、校区全体を俯瞰しながら物事を考えられる先生方がどんどん生まれていっていると思います。校区の子どもたちを共に育てていく仲間なのだという意識が生まれてきていると思います。
 そのように親密な関係になると、互いの校種の良さや大変さといったことにまで話が及ぶこともあります。恥ずかしい話ですが、私自身が教諭をしているときは、「どうしてここまで育てた子どもを中学校ではもっと大事に育ててくれないのか」と思う小学校の先生や、「もうちょっと小学校で力を付けさせてから卒業させてよ」と思う中学校の先生がいたような気がします。
 ただ、連携を軸に教育を進めていく中で、そういう無責任な発想には至らないようになっています。小・中学校それぞれの難しさややりがいがあるのだなとよく先生同士で話をして、それぞれの校種の良さを認め合って、結果的には自分の立ち位置で頑張っていきたいという誇りや、やりがいに繋がっているという様子も見られます。自分が担当している校種の役割をしっかりと担っていくという意識が連携型小中一貫教育という枠組みの中で自然と生まれていっていると思います。
 もう一つ、学習指導面でも同じことが言えます。先ほど理科の系統表がありましたが、よく校区内でお互いに授業参観を行います。中学校の先生が小学校へ、小学校の先生が中学校へ行きます。そのときに互いに自分が教えていることが、こんな風に中学校の授業に繋がっているのだな、あるいは、小学校のこの学習が基になって中学校に繋がっているのだな、と感じることができます。例としてお示しいただいた理科だけでなく、どの教科でも連続性、系統性があると意識している、意識するようにわざと論議していることもあります。そうすると、また自分の教室に帰って授業する先生は、今教えていることが9年間のどの部分なのか、ちゃんとイメージして教える。そういうことを意識できている先生とできていない先生では、やはり意識している先生の方が、授業の深まりや子どもの理解度に影響する良い授業に近づいて行っているのではないかと日頃から考えているところです。
 一つだけ課題を言いますと、やはり連携しているとはいえ、あくまで「一つ一つの学校」であるところです。それぞれに校長がいるわけです。それぞれに特色を出さないといけないという使命もありますので、この学校のオリジナリティをいかに出していくかというときに、小中連携ばかり意識していると、それが薄まってしまうなと日頃感じることもあります。

【会長】
 ありがとうございます。中学校現場の生の声を聞かせていただきました。
 それでは、続いて小学校の立場からお願いいたします。

【委員】
 先ほど中学校から説明があったことは小学校でも同じで、必ず中学校区全体の校長同士、教員同士が繋がる、という意識が当たり前になっていることが一番の大きな成果だと考えています。
 系統性、連続性という言葉が何度も出ておりましたが、9年間でどのような教育活動ができるのかということを見通し校区で考えていくという流れで、ここまで取り組んできています。
 別添の資料でも提示されましたが、グランドデザインと、その中に記載されている「めざす子ども像」や「キャリア教育全体計画」などは、全て校区で統一しています。子どもたちが中学校を卒業する9年後の姿を思い描いた上で、どのような目標にすればよいかを考えて取り組んでいます。その姿を共有することは常にできていると捉えています。さらに、小学校や中学校だけではなく、地域の方や幼稚園を含めて子どもの育ちとして保障していくためにはどのようにしていけばいいのか、という意識を常に持っております。たとえば、校区の小中学校及び園長による校園長会を月一回程度開催しています。
 教育内容の交流のために、教員同士は年間に複数回、小中学校の連携会議をしたり、研究授業や研修など校種を超えて合同で行っています。中学校は教科に対する専門性という強みを、小学校は細かいところも丁寧に見ていくという強みをいかしながら研究授業や研修を共に行い、意見交流をしています。研究授業では、お互いの授業を見合い、一つの授業に対して「もっとこうしたほうがいいのでは」と意見を交流することでそれぞれを高める研鑽の場になっています。
 小学校としては中学校に色々と助けていただいていることもあります。今、生徒指導の課題が大きくなっており、その解決策について、小中の担当者同士で話をすることで、問題行動の抑制に繋がっている部分もあります。特に、6年生については、次年度中学校に入学する引継ぎも含めた会議を開くことで、小中学校の段差の解消、小中ギャップの対策になっています。
 学習面や生活面のルールを統一したり、校区で一緒に行事を計画したり、教員同士で授業を見合い、中学校の先生が小学校に来て授業をするなどの取り組みによって、校区で交流をしましょう、校区で連携して子どもを育てていきましょう、といった認識を深めることができていると思っております。
 課題としては、校区で子どもたちのことを一緒に考える機会をたくさん持ちたいのですが、それぞれ徒歩で行ける校区、そうではない校区がありますので、頻繁に交流をしたいと思っていても、移動に時間がかかってしまい、時間の確保が難しいということが一つ挙げられます。
 また、行事を揃えて一緒に行いたくても、それぞれの学校事情や、行事の調整ができないといった理由から、どうしてもうまくいかないということもありますので、そういう場合に今後どうしていくべきかが課題だと考えています。

【会長】
 ありがとうございました。お二人のお話をお聞きしまして、常に校区で子どもを育てる、校区で考えていくというように、「校区」という言葉がキーワードとして出てきたなと印象深く感じております。
 小中学校の校長先生の立場からのお話でしたが、校区にある幼稚園との連携も行われているということで、園長先生の立場からご意見いただけますでしょうか。

【委員】
 公立の幼稚園としては、お話してくださったように、毎月の校園長会に必ず参加し、学校、幼稚園の課題を一緒に検討し、情報共有させていただいております。また、校区の連携会議、授業研究や校区で行っている人権学習、人権研修などの研究会や学習会について、幼稚園にも声をかけていただいて積極的に参加させていただいております。
 校区の方では、参加できる行事はできる限り参加させていただき、幼稚園のアピールをしたり、幼稚園の子どもの実態を知っていただいたり、また職業体験などの学校行事にも来ていただいて、一緒に幼稚園の子どもたちの成長過程を知っていただいたりということも授業の中に取り入れていただいて交流をさせていただいております。また、小学校の方では特に低学年では一緒にどろんこ遊びをするなど、校区によって様々な取り組みがあり、そのようなちょっとした交流も盛んに行っているところです。
 ただ、連携となると、やはりお互い難しく、幼稚園、保育所、認定こども園、小学校の先生たちがお互いの教育内容、保育内容をどれだけ知っている中でできているのかなと思うことがあります。連続性を謳っているのであれば、0歳から18歳までの育ちを保障するための一つ大きなものであり、お互いの教育内容を知る、理解するということが深い連携に繋がっていくのではないかなということは常々感じております。

【会長】
 ありがとうございます。小中一貫教育の一番ベースになることは、相互理解であると私も常々考えているところです。それでは、保護者・地域との協力について、保護者の立場からご意見いただけますでしょうか。

【委員】
 私は地域学校協働活動推進員として、地域連携を進める立場としての役割もいただいているところですが、保護者の立場で思うところを言えば、家庭学習に関して非常に先生方に負担をかけてしまっているなと思っています。例えば、家庭学習、宿題などのチェックは日常的に行われていると思います。新しく学ばれたことをしっかり子どもたちに展開していただくことが本業であるにも関わらず、日々の業務に追われ、さらに宿題の丸付けにも時間を取られていると思います。もう少し、様々な部分での保護者の協力や仕組みの構築、業務のDX化など、効率化できないのかなと常々思います。
 家庭学習について、宿題に関して言えば、家庭でしっかり取り組む子もいれば、常習的に宿題をやらない子どもいます。保護者として、時間があるときはしっかり家庭で見るのですが、時間がないときはどうしても先生にお任せしてしまうこともあります。宿題をやらない子、できない子に対するフォローにすごく時間を割いていただいているなと思います。また、宿題をやってきた子の宿題をチェックする時間もかかっていると思います。例えば、配付されているタブレットで宿題を行うことも効率化に繋がるのではないかなと思います。
 私が学生の頃は、宿題をやってなかったら、家庭の方に「宿題しっかりさせてください」という指導がありましたが、共働きの家庭が増えたこともあり、最近では「宿題をやってないので学校でしっかり見てください」と先生におっしゃる保護者もおられます。
 そのような流れもある中で、いかに本来の業務に専念していただくか。連携型小中一貫教育は仕組み的には非常に立派ではありますが、実際の現場の課題も踏まえ、業務を効率化し、解決していくことで本来目指すべき制度のゴールに近づいていくのかなと思った次第です。

【会長】
 ありがとうございます。学校の働き方改革、校務のDX化などに関してお話しいただきました。

【委員】
 現在、中学校のPTA会長ですが、幼稚園に係る団体の会長、小学校のPTA会長も務めていました。中学校のPTA会長になったときにグランドデザインを見て、こういう風に中学校区で考えられていたのだなと、初めて気づきました。中学校区が中心となってということを小学校の保護者はそこまで分かっていないのではないかと気になっています。
 もう一点、グランドデザインについて、私が所属している中学校区内には公立の幼稚園がないのですが、ご提示いただいた資料には公立幼稚園が入っており、新鮮に感じました。高槻市内にある私立幼稚園、保育園、認定こども園にいるほとんどの子どもが近くの小学校、中学校に進学するため、グランドデザインの中に含まれていないというのは、ちょっと違うのではないかなと思います。先ほど問題行動の話がありましたが、問題行動の原点は幼児期の育ち方だと思います。子ども子育て会議に参加していると、公立幼稚園に行かれている方がものすごく少ないというのが実際の感想です。私立幼稚園に行かれている保護者や先生方にも、その先に続いていく小学校、中学校について知っていただく場が増えればと思います。地域のコミュニティの中に保育園、幼稚園があるということも踏まえて、小中学校連携の取り組みを進めていただければなと思います。
 グランドデザインについては小学校でも中学校でも掲示されていますので、学校に行かれる保護者の方はご存じの方もおられるとは思いますが、ホームページなどでも周知していただければと思います。

【会長】
 ありがとうございます。非常に重要なことをお話しいただきました。グランドデザインの周知にお話いただきました。
 それでは、地域から見た中学校区の取組について、ご意見いただけますでしょうか。

【委員】
 教育内容がすごく良くなってきており、行事等で子どもたちの交流がうまくいっている、小学校から中学校に行く際の壁が非常に低くなってきたと感じています。ただ、地域の人間として、様々な取組が進んでいることはどれだけ知られているのだろうかと疑問に思います。保護者の方であればご存じなのかと思いますが、それ以外の地域の方々には伝わっていないのではないかという懸念があります。
 また、一つの小学校から二つの中学校へ別れて進学する学校がいくつかありますが、その場合、小学校はグランドデザインの異なる二つの中学校と連携していく必要があり、先生方に大きな負担になっていると思います。この問題をどう改善していくのかという方向性が感じられないと地域の人間として思っています。義務教育学校の設置に向けて進んでいくのであれば、そこを解決しなければならないと感じております。
 また、小中連携の取組の中で教育内容が非常に多様化しているため、もう少し教育内容をスリム化する連携協議もやっていかないといけないのではないのかなと思います。

【会長】
 ありがとうございます。分散進学の問題や学校現場の負担になっているのではないかという課題をお話いただきました。

【委員】
 4点にまとめてお話しします。
 1点目ですが、前回資料に課題について記載されており、そのあたりはどのように取り扱うのかと思っておりましたが、今回の資料に課題に対する取組が記載されていたので安心しました。例えば、最近不登校が非常に増えているという課題が挙げられていましたが、各校区の取組として、中学校区での不登校支援体制の整備と具体的に書かれてありますので、よかったなと思いました。
 2点目ですが、過去の答申の中で、施設一体型の小中一貫校を設置することが望ましいという話がありましたが、その後どうなったのか、また今後どうなるのか、実施できるのか、見通しはどうなのかということもお聞きしたいと思います。先ほど大阪府内の他市の状況について報告がありましたが、圧倒的に施設一体型が多く、1市だけが施設分離型でした。それぞれのメリットデメリットがあると思います。そのことについてはこれまで委員のお話にも出てきたかと思います。
 3点目ですが、私は人権擁護委員として人権の方から出席しておりますので、その立場から言わせていただくと、義務教育学校の「義務」という言葉がすごく引っ掛かります。実際この言葉をどの程度オープンにされるのか分かりませんが、不登校の子どもが多い中で、「義務」という言葉を使われると、非常に保護者にとって負担ではないかと思います。私は電話相談などで不登校の保護者からの電話を受け取ることがよくあります。「学校に行っていない」、「学校に行かせたい」、「どうすればよいか」という相談です。今、世の中は「多様性」という言葉が広く言われています。多様性の一部ということであれば、学校に絶対に行かないといけないということ、それは義務なのかということも心のどこかに置いて話を進めなくてはいけないと思います。
 それから、資料13ページに「にじわタイム」という資料が出ていました。ちょうど私が学校現場にいたときも、中学校区の取組になんと名前を付けようかと考えたことありました。この「にじわタイム」というのは、西大冠小学校、城南中学校、若松小学校、この3校での取組ということで、夢や希望が感じられて、いいお名前を付けられたなと思います。
 また、資料16ページに冠中学校区ルールブックがありますが、9年間に向けてどのようなルールを決めておられるのか興味を持ちましたので、できれば内容が見やすい資料が欲しかったと思います。
 4点目ですが、「4・3・2制」について、個人的に前からすごく良いと思っていました。実際にどのように考えておられるのかと思っておりましたが、資料の中学校区グランドデザインにしっかりと3つに分けたビジョンが出ており、とても良いと思いました。

【会長】
 ありがとうございました。今後の審議の方向性の中でも話し合う材料となるご意見をいただきました。

【委員】
 孫が高槻市内の学校に通っており、連携型の小中一貫教育を受けております。また、私は施設一体型の小中一貫校で勤務しております。それぞれの違いやこうなれば良いなということも含めてお話しさせていただきます。
 孫が通っている中学校区ですが、「中1プロブレム」と言われる、6年生から中学校へ上がるときの校種間のギャップ、隙間をできるだけ埋めようということで、小学校6年生は近隣の進学先の中学校へ授業を受けに行ったり、中学校の先生に来ていただき中学校の生活の様子を教えていただいたりと様々取り組んでおられました。ただ、年間を通して、進学に向けた一定の時期に実施することが多かったため、一時的なギャップを埋める手段でしかなかったかなと思います。
 では、施設一体型の小中一貫校であれば、それがうまくいくのかということですが、私が勤務している学校は開校当初から施設一体型の小中一貫校でした。確かに、同じ校舎内に小学生も中学生も一緒におり、小学校、中学校の教員もいるということで、互いの教員が子どもたちを見つめる機会が多々ありました。また、小学校の先生が中学校へ行って教えるというように、校種を教職員間で行き来するということがありましたが、そのためには小中の教員免許を持っているかという条件がありました。そのような条件はあったのですが、同じ敷地に子どもも先生もいるということは、すごく安心感がありました。まだ小規模校ではありましたが、小中学校間の行事も多々行われ、縦のつながりがすごくできていたように思います。また、学習内容の連続性ということについて、小中間で教科会議があり、「小学校の段階でこういったものを教え、中学校ではそれを引き受けていかすように指導してください」というように互いの意見をぶつけ合う機会をたくさん持てたことはよかったと思います。
 高槻市はこれからどのような規模の施設一体型の学校を考えられるか分かりませんが、一番心配な点は、規模が大きくなりすぎないかということです。規模が大きすぎると、9年間小中一貫の義務教育学校が動きづらくなってしまいます。例えば、体育の時間の運動場について、どう小学校と中学校で割り振りをするのか。また、校時について、小学校は45分、中学校は50分ですが、その際のチャイムをどうするのか。ちなみに私の勤務先はチャイムがありません。このように大規模になっていくと動きづらくなるのは確かなことですので、どのような規模の義務教育学校を作っていくのかということもこれからの検討課題ではないかなと思います。

【会長】
 ありがとうございました。施設一体型のメリットや配慮すべきことについてお話しいただきました。それでは、3人の学識の方からもご意見をいただければと思います。

【委員】
 審議会ですからこのようなことを言うのも大事かなと思い、あえて言いますが、今日のお話をお聞きして、すでに高槻市内で行われている連携型小中一貫教育のどこに問題があるのでしょうか。つまり、十分に小中一貫教育がなされているように聞こえているわけです。事務局の説明に加え、学校現場の視点として、田中委員、八尾委員から、もちろん課題はあるが、すでにそれぞれのところで小中連携に取り組まれているというお話だったと思います。その上で、だからこそ、なんのための義務教育学校なのかということは再度確認しておく必要があるではないかなと思いました。
 例えば、国際的に見れば、プライマリースクール、セカンダリースクールと分類されているところの方が多いのではないかと思いますので、そういった意味では小学校6年間と中等教育学校という分け方もあり得るわけです。そうではなくて、あえて小学校と中学校の9年間を一つのまとまりにしていくということの意味、別に世界がそうなっているから日本もそうすべきだとは思いませんので、そこに積極的な意味を我々が見出していく、見出しておく必要があるのではないかなと思います。それは単に義務教育の9年間だからというだけの理由ではなく、教育的な観点から9年間を一つのまとまりとして見ることの意義をこの審議会でしっかりと議論できると良いのではないかと思いました。
 その点で、先ほど言われていた、学校の規模というのは非常に大事な観点だなと思っております。今ある小学校と中学校を単位として施設一体型とすれば直ちに義務教育学校が出来上がるというような単純なことでは決してないと、改めてご指摘いただいたと思います。
 なんのための義務教育学校なのかという原点に返って、こういうことが義務教育学校に期待され、これまで高槻が積み上げてきた教育のこういう部分にフィットする。したがって、これまでの連携型ではなく施設一体型の方がより期待できるだろう。あるいは、これまでの連携型では、こういうところが乗り越えられていない。あるいは、今日お見せしたのはいわゆるグッドプラクティスであって、できていないことが多く、それを乗り越えるためには施設一体型が必要だという理由付け、我々が拠って立つところというものが明確になってくると、どのような施設一体型の学校を目指すべきなのかという議論ができるかと思いました。

【会長】
 ありがとうございました。

【委員】
 資料のグランドデザインについてですが、私が幼稚園現場にいたときは、矢印で0歳から15歳まで繋がっている、模造紙大ほどの印刷物が幼稚園にありました。それを幼稚園の懇談会で、ここの校区は校区のみんなで子どもを育てていますよと保護者の方々にお見せしたことがあります。ホームページへの掲載だけではなく、視覚化されたパネルのようなものを作り、各園、各校の一番目に付く場所に貼っていただいて、多くの市民、保護者の目に触れるようにしていただければと思います。義務教育学校や高槻市の取組について、多くの方はご存じないと思うので、そのようなことをしていただけると、市民は分かりやすく、幼稚園の保護者は、この頃からずっと連携して高槻市で育っていくのだなという希望や期待を持つことができるかなと、このグランドデザインを見て思いました。
 もう一点、公立幼稚園が少なくなっていますが、校区の私立幼稚園に声をかけながら、校区でこのような取組をしていくのだと巻き込んでいけるのは公立幼稚園がスタートだと思っています。公立幼稚園が全ての校区にあるとは限りませんが、公立幼稚園が私立幼稚園を巻き込んで盛り立てていくようなことをしていただけたらなと思います。

【会長】
 ありがとうございました。

【副会長】
 私は中学校で長く勤めてから、小学校の校長に赴任した経験があるのですが、小学校に赴任して、中学校では絶対聞こえない音がまず聞こえてきました。子どもがギャン泣きしているのです。小学校では日常茶飯事のように自然な対応をしておられました。施設一体型になった学校にお邪魔したとき、「ああ、こんな声を聞いたのは初めて」と中学校の先生方は皆おっしゃっていました。「この子どもが5年経ち、7年経ち、どんな子どもたちになっていくのだろうと思い描いていくのはすごく楽しいです」とそんなお話をされていました。そのため、施設一体型での子どもたちの物の見方というのは、先生方は色々あろうかなと思います。
 今まで、高槻市の教育の中で、指導内容や指導方法について、様々な工夫がこれまでなされてきたことがまず確認されました。その中で現場の小中学校の先生から、どのように思われているのかということをお聞きして、なるほどと思ったことの一つは、連携するために様々なことを考えるのではなく、連携というのが日常茶飯事、連携ということを考えずに済むような状況を作れたら良いなという点です。
 それから、何か行事などをやっていこうという際の物理的な壁について、これを取り払うことも今後の審議の中に加味していくと良いのではないかと思いました。
 また、幼稚園から小学校に向けて、様々な保・幼・小の繋がりがありますが、幼稚園教育要領に、5歳になった時に備えておきたい10の姿というものが記載されています。あれは本当に5歳でしょうか、私たち大人にも通ずるものではないかなという気がしています。そのように育てたい子どもたちの姿について連携していくということもできると言えます。
 何よりも地域のお話から、学習指導要領の重要な内容である「社会に開かれた教育課程」の考え方を共有して、具現化していく必要もあるのではないかと考えました。
 新たに顕在化した課題への対応も必要でしょう。それから、これまで取り組んでこられた、連携型小中一貫教育の効果をさらに高めていくために、また、我々が考えているものを具現化していくために、この審議会の中では、今ある中学校区というものを一つの枠組みとして審議を進めていく必要があるのではないかなと思いました。

【会長】
 ありがとうございます。皆様のそれぞれの立場から非常に深い、刺激があるお話を伺いました。皆様がお話しいただいた内容について、簡単に意見をまとめさせていただきます。
 10年にわたる連携型小中一貫教育をされておりますので、成果は出ておられます。特に、何人もの委員の方がおっしゃっておられましたが、グランドデザインが本当に優れていると思います。特に、「4・3・2制」に分けたことです。私は、小中一貫教育の肝は「4・3・2制」の「3」だと思っています。同じようなことをおっしゃった委員の方もおられましたが、「3」のところで指導内容、指導方法のすり合わせを校区内で行うことは非常に大切なことであります。その結果として、「令和5年度全国学力・学習状況調査 学校質問紙調査」の「小中と共同で授業研究を行いましたか」という質問に対し、肯定的な評価が97.5パーセントというのは、これはすごい数字だと思います。
 そのため、やはり今後考える枠組みは現在の中学校区を基本として議論を進めていくことが自然だと考えます。先生方の業務負担はありますが、今まで出てきた課題をしっかりと精査して、今までの研究成果をよりブラッシュアップしていく土台として、現存している中学校区を大切にしていく必要があるかと思います。
 また、課題についてですが、私は大阪府の中高一貫校の校長を3年間設立当時に務めました。やはり施設一体型の学校、これは絶対に良いです。お互いの教員の相互理解を深めるためには一番良く、中高一貫校の場合は、高校生が中学生を指導し、中学生は高校生を自分たちの将来のモデルとして見る機会が非常に多くあります。そういった点では、施設一体型というのはメリットがあると分かっているがゆえに、先ほど紹介もありましたが、全国としては施設一体型の小中一貫校が多いのかなと思います。ただし、組織が違うので、組織間のすり合わせは大変です。そこの手立てについて、高槻市も23ページのスライドのように考えておられます。そういった課題があるということも踏まえて、今後の検討をお願いしたいと思っております。
 また、皆さんからいただいた意見は今後の審議にいかしていきたいと思います。
 引き続いて、議事2「次回の審議に向けて」ですが、次回は学校視察が予定されています。まずは、第3回の学校視察の内容について、事務局から説明いただけますでしょうか。

【事務局】
 お配りしているスライド資料の26・27ページをご覧ください。
 前回、視察先の選定を事務局に一任いただきました。
 視察先として豊中市立庄内さくら学園を選定しております。日時は、9月10日(火曜日)13時の開始で、豊中市教育委員会と学校には、既に内諾をいただいております。
 庄内さくら学園は、令和5年4月の開校で、府内でも比較的新しい施設一体型の義務教育学校になります。また、市立図書館、保健センター、相談機関等が複合した公共施設が併設されております。当日は、施設の見学と学校からの説明及び質疑を予定しております。なお、時間が限られていますので、主な質問項目については事前に相手方に伝えたいと思います。
 なお、第3回については、視察となるため、「高槻市学校教育審議会の会議の公開に関する要綱」第2条に基づき、非公開の扱いとなることも合わせてご確認いただきたいと思います。

【会長】
 視察先として、庄内さくら学園に伺うこと、審議会としては非公開の扱いになることで確認させていただきました。
 事務局からお話がありましたように、今後の審議に向けて学校に質問すべきことについては、この場でも話題にできたらと思いますが、皆さんいかがでしょうか。

【委員】
 特別活動について、例えば、小学校のクラブ活動と中学校の部活動、児童会と生徒会などについて、「4・3・2制」でどのようにされておられるのか。施設一体型と施設分離型によっても大きく異なると思いますが、お伺いできればと思います。

【会長】
 事務局から、今話題にした内容を相手方にお伝えいただけたらと思います。
 なお、第3回は視察になりますので、第4回以降の内容についても、この場でふれておきたいと思います。
 第4回についてですが、今後、より具体的な審議に入るにあたり、一度審議の方向性について整理する場としたいと考えますが、いかがでしょうか。

 

「異議なし」

 

 それでは、第4回については、今後の審議の方向性について整理を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。

【会長】
 引き続いて、議事3「事務連絡」ですが、事務局からお願いいたします。

【事務局】
 2点お伝えします。
 1点目、学校視察についてです。
 次回は9月10日(火曜日)、豊中市立庄内さくら学園への視察となります。高槻市役所の総合センターからマイクロバスで向かいます。12時頃の出発を予定しておりますので、ご予定をお願いいたします。
 また、帰着が15時半頃になるかと考えております。行程の詳細については第3回の開催通知にてお伝えいたします。
 なお、次回は参加の可否について事前確認させていただきたいと思いますので、本日配付している調査票をメールで送付させていただきます。その中で、視察先の学校への質問についても記載いただけるようにしております。8月2日(金曜日)までの回答をお願いします。
 2点目、今後の審議会スケジュールについてです。
 お配りしている「審議会スケジュール(案)」をご覧ください。第4回は、11月下旬を予定しております。日程が決まりましたらご連絡させていただきます。

【会長】
 今の事務連絡について、委員の皆さんから質問等はありますでしょうか。
 それ以外の内容においても、質問等ありますでしょうか。
 それでは、これで第2回学校教育審議会を閉会いたします。
 お疲れ様でした。

Adobe Reader<外部リンク>
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)